私が運営している八丈サイエンスクラブは、やってはいけないこと以外は何をやってもいいと言われています(笑)。ですので、私は、一般的な勉強はやめて、研究だけをすることにしています。
研究という言葉を聞きますと、難しい印象がありますね。でも、大丈夫です。分かっていないことをやるだけです(笑)。
私は、学校で習った知識を研究で確認しています。ですので、分からないことと知識の確認の両方を行います。
といっても、私は研究に偏っていますけれどもね(笑)
今日は、「小学生と一緒に未知の世界を歩く楽しさ」と題してのお話です。
八丈サイエンスクラブに通っているお子さん
現在、八丈サイエンスクラブに通っているお子さんは1人です。募集しましたら、すぐに参加されました。
出会った初日にいろいろお話を伺うと、思考能力の高さ、これまで学んできた知識の組み合わせ方の上手さに秀でた方でした。
少し詰まっても、ヒントを与えるとすぐに壁を突破してしまいます
ですので、ヒントの与え方をだんだん難しくしています
ハッキリ言いますと、私が小学校6年生のときと比べて、ずっと頭がいいです。
これは、すごい子が入ってきた
と正直思いました。
テスト教育の弊害
最近の頭のいい子は効率を重視します。
質問したら、すぐにネットで調べて教えてくれます
それはそれで素晴らしい素養です。でも、答えの決まっていない世界では、効率は重要な要素を飛び越えることに繋がります。
そう、テストのように速く問題を解くあるいはその訓練をすることによって、その分、大切なことを失うことになります
私は、八丈サイエンスクラブでは、効率で失ったことを気づかせるために研究をしています。
最近、2人で研究していること
先生1人、生徒1人。これまで別の研究をして、そのテーマが終わりました。そして、今回新しく、野鳥の研究をすることにしました。
私は野鳥の写真を撮っていますが、あくまでも写真の世界です。研究ではありません。
私も野鳥を知らない、お子さんも知らない。知らない者同士で対等に頭を悩める、日々が始まりました。
あるオーナーに許可を得て、フィールドを貸していただくことになりました
私は実験室の人です。野外実験は初めてです。ですので、どうやったらいいか分かりません。
兎にも角にも、実験の場が必要です。ただ、人様にご迷惑をかけるわけにはいきません。
運良く、ある会社の社長さんから、
当面、現状維持だから、工事が始まるまで何やってもOKだよ
と許可をいただきました。
「何やってもOKだよ」はいい響きですね。頭の中で色々な想像が膨らみます(笑)。
野鳥の行動はコントロールできるのか?
研究を始める前に2人でどう進めたらよいかを話し合いました。
餌でよびよせてみては?
たしかに、餌付けは野鳥の行動をコントロールするためのテクニックの一つですが、今回の研究では、初めから候補から外していました。
社会的な批判も怖かったのですが、それを選んだら簡単に出来てしまうと思ったからでした
そこで、餌付け以外の方法での野鳥の行動をコントロールする方法を頭から絞り出しました。
いろいろ案をだしましたが、最終的に生き物は水が必要ということで落ち着きました。そして、野鳥が来たかどうかの判定はトレイルカメラを用いました。
研究の第一歩
トレイルカメラは防水のカメラです。最近、八丈島は大雨が続いていますが、なんとか壊れずに作動しています。
そして、1週間、2人で恐る恐る撮影された写真を確認しました。
あっ、写っている!
写っていたのはキジバトとホオジロ。どちらもペアでした。
お子さんはこれで終わったと思っていました。でも、こんなんで終わったら研究ではありません。
私の口癖を忘れた?
「研究はつまらないもの」だよ
・・・
そんなわけで、私は、現在、「小学生と一緒に未知の世界を歩く楽しさ」を満喫しています。
親御さんからは、
先生を独り占めしていいのでしょうか・・・?
と先日言われましたが、
いえいえ、私の方こそお子さんからこんなに楽しいことを学ばさせていただいています
なのです。しばらく八丈サイエンスクラブは熱いですね。