「学ぶ」方法について考えてみました

その他

私は、今から5年前に八丈島に来ました。そして、ヘゴの森ツアーの専任ガイドとしての仕事を始めました。

バードウォッチングを趣味にしていましたので、野鳥の説明は完璧でしたが、植物はまったくダメでした。

そもそも、当時は、植物に興味が無かったのです

でも、お客様はお金を払ってツアーに参加されています。私の好き嫌い関係なく、仕事として最低限の種数でも植物は覚えなければなりません。


今日は、「「学ぶ」方法について考えてみました」と題してのお話です。


スポンサーリンク

初めは、先輩ガイドの隣について回りました

現在、私はヘゴの森ツアーの受付担当です。それ以前は、チーフが担当していました。

初期の頃は、チーフは私を近くに置き、ツアー中、説明を聴かせました。

効率のいい教え方ですね

簡単に覚えられたのではないですか?

実際は、どの植物がどれなのか覚えられませんでした(笑)

学校の勉強と同様、そう簡単に覚えられるならば誰も苦労はしませんね。図鑑も買いましたが、なんのことやらです。

これこそ、宝の持ち腐れです(笑)

iPhone 12

自分の得意な「型」をつくる

ちょっとだけ昔話。私が、研究者時代に最大の評価を受けていた技術は、解剖とPCRについてです。

体長2 mmの昆虫をマニュピレーター無しで解剖し、PCRでDNAの増幅が不可能と思われるようなものをどんどん獲ってきました。

これらが出来るようになったのは、反復練習のおかげです

顕微鏡下で毎日6時間、ピンセットを使って解剖。顕微鏡を長時間覗きますと気持ち悪くなってきます。

当時は、交通事故の後遺症も激しく、トイレで何度も吐いていました

PCRは、膨大な数の考えられる組み合わせ、そして、想像外の反応も試みました。

このようなことをすると何が起きるのかといいますと、いつのまにか自身の「型」が出来ます。


ヘゴの森ツアーのガイドでの「型」

私は、バードウォッチングは独学で覚えました。反復練習をしていきますと、自然とよく見る野鳥が自身の「型」となりました。

私の昔のフィールドでは、シジュウカラ、エナガ、ヒヨドリ、キジバト、コゲラ、アカゲラ、モズ、キジなどが、いつも見られる野鳥でしたので、それが私の「型」となりました。

そこから、違いを知り、判別できる種を増やしていったのです

では、ヘゴの森ツアーでの「型」は何でしょうか?私の場合、大型のシダ植物でした。

ヘゴ、ヒカゲヘゴ、ハチジョウカグマ、カツモウイノデ、リュウビンタイ・・・。片手で数えられるくらいですが、最初はそれだけ精一杯でした。

繰り返し見ることで「型」を作り、他の種との違いを知ることが出来るようになりました


「型」から外れたものを知る

シダ植物ですと、通常は、地面から葉身は一つです。ところが、ナチシダのように例外があります。

ナチシダ Pteris wallichianaの新芽
iPhone 12

八丈島にはカンスゲが2種類あります。オオシマカンスゲとハチジョウカンスゲです。

一般的には葉の断面で見分けますが、自分はここを見るという場所に気が付きました。

これはオオシマカンスゲです

オオシマカンスゲCarex oshimensis Nakai
EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro

人には様々なタイプがあります。本から学ぶ人、人から教わって学ぶ人・・・、いろいろですね。

私の場合は、どちらもダメでした。ですので、反復練習で「型」を作り、そこから外れたものを知るという独学をするようになりました。

学ぶ方法で悩んでいる方、上述の両者を試してダメだった場合、ぜひ自身の「型」をつくり独学を試してみてください。

意外とうまくいきますよ

PR

タイトルとURLをコピーしました