CanonのEOS R3で撮れて、EOS 7D Mark IIで撮るのが難しいシーンについて

写真機材

私はEOS 7D Mark IIを野鳥写真の撮影専用に使用してきました。

EOS 7D Mark IIは古いデジタル一眼レフカメラです。プロ使用のカメラレベルの防塵防滴、10コマ/秒の高速撮影、2020万画素の高画質、APS-C CMOSセンサーのため、通常レンズが1.6倍の焦点距離相当のレンズとして使用可能(600 mmの焦点距離のレンズが840 mm相当になり、600 mm+1.4xテレコンバーターですと、1,344 mm相当!)と、発売当時としては、とても優れたカメラでした。

今でも遠くの野鳥を脅かさないように撮影するときは、私はEOS 7D Mark IIを好んで使用しています

でも、EOS 7D Mark IIも万能のカメラではありません。

私は、一年前にCanonのEOS R3を入手しました。それまでは、EOS 7D Mark IIのみで大丈夫と思っていましたが、特定の条件になりますと、EOS 7D Mark IIは、やはりEOS R3に敵いません。


「CanonのEOS R3で撮れて、EOS 7D Mark IIで撮るのが難しいシーンについて」と題してのお話です。


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近接距離

野鳥の写真を撮るとき、野鳥と撮影者の距離が15 mですと、それなりの写真になります。

野鳥を撮影するときは、通常、超望遠レンズを使用します。撮影者から15 mも離れていますと、体と瞳のピントのズレは誤差みたいなものですので、体にピントが合いましたら、瞳にもピントが合った写真になります。

このような条件でしたら、EOS 7D Mark IIでも普通に撮影ができます

ところが、撮影者と野鳥との距離が超望遠レンズの最短撮影距離の4-5 mくらいになりますと話は別です。

EOS 7D Mark IIでは、65点自動選択AFですと頭部を認識しますが、この距離になりますと、精密なピントは合わせられません。対策として、領域拡大AF1点AFスポット1点AFでピントを合わす方法もありますが、ぷかぷかと浮かぶ水辺の野鳥を撮影しようとしますと、意外にも、ピントがズレます。

ところが、EOS R3はミラーレスカメラですので、全域AFを使用しても瞳にスッとピントが合います。

カイツブリTachybaptus ruficollis
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

そして、野鳥が撮影者から少しでも離れましたら、確実に瞳にピントが合います。撮影者は構図だけに集中してシャッターが切れます。

ちょっとしたことですが、これだけで撮影の成功率が一気に上がります。

カイツブリTachybaptus ruficollis
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

行動の瞬間

EOS 7D Mark IIで瞬間の写真を撮影するとき、集中力が必要です。ファインダーで野鳥の動きを観察し、半押しの状態で待ち、瞬間を予測してシャッターボタンを深く押します。

これを何度も繰り返します

やっていることは同じですが、EOS R3ですと、この撮影はとても楽な作業になります。

先ほどと同じように、ファインダーに野鳥を入れますと、自動的に瞳にピントが合います。これが準備段階。

オオバンFulica atra
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

EOS R3の場合は、撮影が楽ですので、野鳥の表情の観察に集中します。そうしますと、水中へのダイブのタイミングが掴めます。

そして、EOS R3は通常モードでも30コマ/秒の高速連写が可能です。いっせいのせでシャッターを切るだけで、ほぼ一発で入水する瞬間を撮ることができます。

オオバンFulica atra
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

仕草

野鳥は、人間と違い、行動が素早いです。何をしても、すぐに次の仕草に変わります。

野鳥が私に慣れて自然な姿を見せてくれても、EOS 7D Mark IIでは、性能の問題で、全てを撮影することはできません。

ところが、EOS R3では、瞳フォーカスと高速連写のおかげで、全撮りが可能です。写真には、仕草の一番良いシーンが含まれていますし、そのうえ瞳もピントが合っています。

それを一発で仕留めることができます

ハクセキレイMotacilla alba lugens
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ハクセキレイMotacilla alba lugens
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ハクセキレイMotacilla alba lugens
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

今日は、カイツブリ、オオバン、ハクセキレイの写真を使い、EOS R3で撮れて、EOS 7D Mark IIでCanonのEOS R3で撮れて、EOS 7D Mark IIで撮るのが難しいシーンについて解説しました。

撮影を何度も繰り返しますと、野鳥は嫌な顔を見せるようになります。野鳥といい関係を続けるためには、手短が一番大切です。EOS R3はそれを効率的にサポートしてくれるカメラだと思います。

ちょっとしたことですが、このちょっとしたことが野鳥写真を撮影する上で大差を生みます。野鳥と関係が悪くなり、嫌われて距離をとられたり、近くでもぷぃっと顔を背けられたり・・・。

「ファインダーに入れる」と「シャッターボタンを押す」は写真を撮るときは、どのカメラでも当たり前の操作です。ですが、言葉で説明するのは難しいのですが、それら以外の細かくて見えない部分で、撮影者のサポートができるのがEOS R3です。

もちろんEOS 7D Mark IIでもたくさん撮影すれば、EOS R3と似たような写真を撮影することはできます。

でも、現実的にはとても難しいことです。高いカメラの価格の違いの理由が伝われば幸いです。


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EOS R3

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