八丈島の山の林道のルートを繰り返し歩ける理由

八丈島のフィールド

八丈島のような田舎に住んでいて、何が楽しいんだろう・・・?

三原林道、鴨川林道、こん沢林道でも、どの林道も一度行けば十分。

というご意見を島外のお客様からいただいたことがあります。おそらく、それは、ネットや雑誌の文字から得られた情報を確認したのだから目的達成です。間違いではありません。

でも、それでは八丈島のように狭い孤島では、すぐに暇になってしまいますよね。


今日は、「八丈島の山の林道のルートを繰り返し歩ける理由」と題してのお話です。

八丈島は、太平洋に浮かんでいるため、温暖多湿な海洋性気候です。一見、一年中同じ気候のように思えますが、実はちょっとずつ変化をします。

そのため、一年を通して、様々な植物が新芽を出したり、花を咲かせたりします。植生が一年を通して変化しますので、それに従う生き物の生活様式も影響をうけます。

私は、このような変化を見て楽しんでいます。


例えば、本土で春に林道に行くと、シダ植物の新芽とたくさん出会えます。通常のイメージは、森の中でシダ植物は葉を広げて茂っていますね。

しかし、八丈島でも春は新芽が伸びる季節です。

この写真はハチジョウカグマの新芽です。カグマというのはシダという意味です。ですので、ハチジョウカグマは八丈島のシダという意味です。

ハチジョウカグマWoodwardia prolifera Hook. et Arn.
EOS 6D Mark II+EF70-200mm F4L IS USM

次は褐色の新芽。これはカツモウイノデの新芽です。カツモウとは褐色の毛、イノデはシダという意味です。カツモウイノデは、褐色の毛で覆われたシダという意味です。

カツモウイノデCtenitis subglandulosa (Hance) Ching.
EOS 6D Mark II+EF100mm F2.8L Macro IS USM

名前は短いですが、それぞれの植物を的確に説明していますね。

これらの新芽、時間が経つと生長し、成熟した胞子体となります。次に同じ場所に来たときは、姿は大きく変わっています。


多くの動物は山の環境に従って生きています。時間経過によって山の環境の変化にともないますので、動物の生き方も一年を通して変わります。

キジバトをご存知ですか?

八丈島では一般的なハトです。林道をゆっくり車で進むと、目の前にいるキジバトはふわっとちょっと飛んで進行方向の前で再び道の上に留まります。人とおちょくっているような行動をします。

そんなキジバト。春から夏にかけての時期はペアを作っています。

森の木々の間から撮影した写真ですが、2羽がいちゃいちゃすることがあります。

キジバトStreptopelia orientalis
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

この行動は相互羽繕いとよばれています。こういう変わった生態を見られるのも、林道へ繰り返し行っているからです。


写真で撮影できたのは、山で繰り広げられている極一部の動植物の生態です。本当は、林道まで自身で足を運び歩くのがベスト。

毎日行っても変化が見られますので、八丈島への旅行が解禁になりましたら、ぜひ繰り返しの散策を楽しんでみてくださいね。

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