野鳥写真におけるデジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラの設定とそれらに纏わるヒントについて

写真機材

私がカメラを始めたときはフイルムの一眼レフカメラでした。ピントはマニュアルですし、シャッターを切ったら1回1回巻き上げます。

今とは全然違いますね

そんな時代でも、野鳥写真撮影のHow toみたいなものはありました。例えばファインダースクリーンは、マイクロプリズム(中心の円の部分がピントが合うとクリアになる。)ではなく、全面マットが推奨されていました。

さて、2024年でも新たに野鳥写真を始める人もいらっしゃいますね。私のようにデジタル一眼レフカメラからスタートする人もいらっしゃいますし、最新版のミラーレスカメラからスタートする人もいらっしゃいます。

いざ実際にフィールドでカメラを持っていますと、

この設定でいいのかなぁ・・・

と思うこともあるかも知れませんね。

私のカメラの設定をシェアします。野鳥写真の初心者の方の参考になれば幸いです。


今日は、「野鳥写真におけるデジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラの設定について」と題してのお話です。


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記録ファイル

多くの場合、カメラを購入しますと、写真の記録ファイルはjpgのみだと思います。ハードディスク容量のことを考えますと、一般に受け入れられると思います。

ところが、野鳥写真は、チャンスは一生に一度というものがあります。そのとき、jpgですと、写真の露出がオーバーやアンダーですとAdobe Lightroom Classicのような現像ソフトでリカバリーが出来ません。

そういう訳で、私は記録ファイルをjpg+RAWに選択しています。

RAWファイルで記録して、Adobe Lightroom Classicで現像しています。
https://www.adobe.com/jp

撮影モード

今のカメラは、色々な撮影モードがあります。プログラム、絞り優先オート、シャッター優先オート、マニュアル・・・。どれを選んだら良いのか難しいですね。

確かに、最新のカメラはプログラムやオートでも期待通りの露出を決めます。

でも、絞り優先オートですと、暗いところに野鳥がいましたらシャッタースピードが落ちてしまい、ブレブレの写真を量産してしまいます。

シャッター優先オートですと、暗いところに野鳥がいましたら絞り値を開放に近づけようとします。ところが超望遠レンズの開放値はF8-F4ですので、エラーで撮影出来なくなります。

こういう問題を回避するために、私は「マニュアル露出」を選択しています

また、「マニュアル露出」に相性の良いオートがあります。

「ISOオート」です

「ISOオート」は「マニュアル露出」の設定を代えずに自動でISOが変化します。暗いところですとISO値は上昇し、明るいところですとISO100まで自動で下がります。

実際に使うと分かりやすいのですが、露出の成功の確率が上がります。

カメラの撮影モードはマニュアル露出。ISOオートを併用しています。

レンズの絞り値

昔はレンズは、レンズに絞りリングが存在し、絞り値はレンズで設定していました。現在は、カメラ側で設定します。

私は「マニュアル露出」ですので、絞り値も自分で決めます。

写真はシャッタースピードと絞り値の組み合わせで露出を決定します。写真の勉強をするとき、一つ一つ確かめますね。

ところが、野鳥写真に使うレンズの焦点距離は、通常400 mm以上です。絞り値を上げてもほとんど撮影された写真に変化はありません。

ですので、シャッタースピードを上げるためにも、特別な場合は除いて、私は開放の絞り値を選択しています。

超望遠レンズの絞りは開放を選択しています。EF400mm F5.6L USMの場合はF5.6となります。

シャッタースピード

一般に超望遠レンズの重さは1 kg以上です。手持ち、三脚を使用しても手ブレを起こしてしまう可能性があります。

手ぶれ補正機能を持つレンズやミラーレスカメラは1/60 sのシャッタースピードを選択しても、手ブレは起こしませんが、普通のレンズやデジタル一眼レフカメラですと同じシャッタースピードを選択しますとどうしても手ブレを起こしてしまいます。

昔は1/焦点距離の数字を選択しますと手ブレしにくいと言われていました。例えば、焦点距離400 mmのレンズですと1/400 s以上、焦点距離600 mmのレンズですと1/600 s以上という具合です。

私は、手ぶれ補正機能を過信せず、通常は1/1000 s、暗いとこでは1/500~1/60 s、飛翔している野鳥は1/2000 sのシャッタースピードを選んでいます。

通常は1/1000 sのシャッタースピードを選択しています。

ドライブモードの選択

昔はフイルムですので、1枚撮影しては巻いての繰り返しでした。今はデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラですので、1秒間に10枚撮影以上は普通ですね。

私は「高速連続撮影+(連続撮影の最も速いもの)」を選択しています。

今のカメラですと、デジタル一眼レフカメラでは頭部を自動認識し、ピントを合わせてくれます。さらにミラーレスカメラでは撮影者に近い方の瞳に自動でピントを合わせてくれることも出来ます。

ここまできますと、撮影は1枚で十分と思うかも知れませんね。ところが、人の欲は際限ないもので、もっと良いものを求めます。

何を求めるようになるかと言いますと、被写体の頭の角度です

動物は当たり前ですが動きます。この性質が写真の結果に大きく影響を与えます。

例えば、少し頭の角度が変わるだけで、撮影された写真の野鳥の瞳にキャッチライトが入ったり、仕草が鋭くあるいは柔らかく見えたりします。

撮影された写真はただのデータです。失敗は削除するだけでいいので、「高速連続撮影+」は今の時代の撮影に即した選択だと私は思っています。

撮影は、最高速のドライブモードを選択しています。

AF動作

動物は常に動きますね。ですので、ピントを常に追い続けるサーボAFを選択しています。

サーボAF特性は、被写体の動きの変化に応じて追従特性を自動で切り替えるもの(例えばCanonのEOS R3の場合はCase A)を選択しています。

使い方のコツとして、ピントは1回で合わないこともありますので、カメラを親指フォーカスに設定し、AFスタートボタンを短い間隔で押し続けます。

カメラは親指フォーカスに設定しています。ピントを合わせるときは、AF-ONボタンを短い間隔で押し続けます。

AFエリア

カメラを購入しますと、初めの設定は全域AFだと思います。最近の全域AFは優れもので自動で被写体認識、瞳検出まで出来ます。

ですので、一般の野鳥の撮影でも全域AFで大丈夫な時代となりました。

私の場合はAFエリアのモードをこのように使い分けています。

  • 通常あるいは飛翔中の野鳥を撮影するとき:全域AF
  • 森の中あるいは精度を要求される撮影のとき:領域拡大AF(周囲)、スポット1点AF

デジタル一眼レフカメラのEOS 7D Mark II(親指フォーカスに設定済み)の場合は、ピントが合わせやすいという一眼レフカメラの特性を活かして、領域拡大AF(周囲)をデフォルトにし、精度が必要なときはスポット1点AFにしています。そして、飛翔している野鳥が出現しましたら、すかさず全域AFに切り替えています。

一方、ミラーレスカメラのEOS R3の場合は、通常全域AFをデフォルトにし、森の中に入りましたら、カスタム設定にしてある親指フォーカス+領域拡大AF(周囲)あるいはスポット1点AFに切り替えています。


その他の設定

デジタル一眼レフの場合は上記の設定でだいたい大丈夫だと思います。ここではミラーレスカメラ特有の設定です。おそらく、デフォルトから検出する被写体を「人物優先」から「動物優先」に切り替えるだけでOKです。

  • 被写体追尾:する
  • 検出する被写体:動物優先
  • 瞳検出:する

今日は、「野鳥写真におけるデジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラの設定について」と題してのお話でした。

私が野鳥を撮影するとき、初歩的なミスが減らすため、こんな感じにカメラを設定しています。私の場合は、一度カメラを設定しますと、あとはそのまま撮影を続けることが多いです。

撮影中、写真に関して考えるのは構図だけですね

カメラの設定とは違いますが、一番大切なことは野鳥を脅かさないこと。これさえ守れば、シャッターチャンスはどんどん来ると思っています。

初心者の方の参考になればと思いカメラの設定をシェアしました

良い野鳥写真を撮ってくださいね

クロハラアジサシChlidonias hybridus
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

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