野鳥写真における構図の決定について

動物

焦点距離600 mmの超望遠レンズを使い、野鳥を画面ドアップに撮影が可能なときは、日の丸構図で大丈夫ですね。

ヒドリガモMareca penelope
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

八丈島で撮影する私の写真はけっこうこういうものも多いですね

今でこそ、野鳥を撮影するために焦点距離600 mmの超望遠レンズを使っていますが、私はもともと焦点距離300 mmのレンズからスタートしました。

初めは写真の画面における野鳥の割合が点だったりしました(笑)

お金がありませんので、いいカメラ、いいレンズは持てません。たとえば私の場合、中古価格7万円のEOS 7D Mark II、中古価格の8万円くらいのEF400mm F5.6L USMで頑張るしかありません。

では、どうするのか?

構図で頑張るしかありません。


今日は、「野鳥写真における構図の決定について」と題してのお話です。


スポンサーリンク

野鳥に対するアプローチの方法

シャッターを切る前に、野鳥が近くにいなければいけませんね。こちらを参考にしてください。


黄金分割比

黄金分割比は、先日の風景写真の構図の記事で出てきましたね。これ、野鳥写真でも基本は同じです。

縦横3分割して交点に主題を入れればOKです


河津桜のシチトウメジロの写真で解説します。

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

この写真では、背景を河津桜からズラして森にしました。理由は河津桜にしてしまいますと、すべてピンクになってしまって、スッキリとした写真にならないからです。

そのため、私は河津桜に近づき、河津桜の中心から外側の枝に向かって、シチトウメジロにレンズを向けました。

次に下から1/3の水平ラインに河津桜の枝を置きました。これで黄金分割比のルール通りです。

落ち着いた写真になりましたよね

ほぼ黄金分割比のルール通りの写真です。

黄金分割比のルール通りにいかないときはどうするか?

野鳥は撮影者が思った通りに動いてくれません。黄金分割比に当てはめることができないときもあります。

野生動物ですから仕方がないですよね

今度はアカマツのシチトウメジロで説明します。

例によって黄金分割比の線を引きます。シチトウメジロは中心よりも少し下にいます。

まったくルール通りではありません(笑)

どちらかといいますと、日の丸構図ですね

黄金分割比というよりも日の丸構図に近い写真です。

視線の先に空間をあける

通常、絵画でも写真でも映像でも視線の先に空間をあけるのがルールと言われています。空間がありますと、落ち着いているように見ている人が感じられます。

ですので、シチトウメジロの視線の先にも空間をあけました。


シチトウメジロの頭の向き

もう1つ、シチトウメジロに関して気にしていたことがあります。

頭の向きです

写真ではシチトウメジロが向かって右側を向いています。これがもし左側を向いてしまいますと、写真自体が成立しなくなります。

シチトウメジロのお腹を見てください。アカマツの葉からのパターン化した木漏れ日が刺していますね。

これは、お腹だから大丈夫なのであって、シチトウメジロが左側を向きますと、顔にパターン化した木漏れ日が刺してしまいます。こうなりますと、シチトウメジロの顔が汚く見えます。

ですので、顔が右側を向いた瞬間にシャッターを切っています。

シチトウメジロの視線の先に空間をあけ、向かって右側を向いた瞬間にシャッターを切っています。

パターンの背景を選ぶ

アカマツのシチトウメジロの写真ですが、背景を見てください。アカマツの葉がぼけてパターン化していますね。

上記の河津桜の写真では背景を抜きましたが、こちらは背景を近くに置きました。そうすることで背景の単純化を防ぎました。

点のエリアがパターン化した背景です。

アカマツの枝を何本入れるか?

実は、アカマツの枝の本数が、この写真を撮影する際に一番悩んだところです。枝ですのでいくらでも画面に入れることができます。

写真では2本。3本目が入りますと、写真の画角が全体が左側に移動し、シチトウメジロの視線の空間がなくなります。

また、入れる枝の角度もコントロールが難しくなります。

写真では垂直(少しズレていますが・・・)と斜めの枝として意識して入れました。3本目はこれにどの角度を加えるか、シチトウメジロが枝に止まっている僅かな時間に決めることができませんでした。

そんなわけで、この写真ではアカマツの枝を2本入れたわけです。

アカマツの枝を2本入れ、それぞれの角度を調節しました。

出来上がりの写真がこれ。日の丸構図のようですが、シチトウメジロは中心よりも少し下にいるのは以上のような理由です。

ちなみに、河津桜のシチトウメジロの写真も、アカマツのシチトウメジロの写真もトリミングはしていません。

EOS 7D Mark II+EF400 mm F5.6L USMは安い機材ですが、実は私のお気に入り。性能が低い機材の場合は構図をあらかじめ決めて撮影することで、仕上がりの写真の拡大による画像の劣化を防いでいます。

一方、機材の性能に余裕がある方は、トリミングするときにこのようなルールに気をつければ、写真を整えることができます。

シチトウメジロZosterops japonicus stejnegeri
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

今日は、「野鳥写真における構図の決定について」と題してのお話でした。

野鳥写真は、被写体が小さいので、どうしても画面に占める割合が点になってしまいます。ですので、構図で頑張るしかありません。

今回は、黄金分割比とそこからハズレた場合の両方のケースについて紹介しました。

野鳥写真の撮影の仕方の参考になれば幸いです


PR

タイトルとURLをコピーしました