最近の野鳥写真のトレンドとして、高速シャッター+高速連写を使っての飛び出しのシーンの撮影があります。
昔は、赤外線センサーと1/100,000 sのスピードライトの閃光を使っての撮影が主流でした。2025年では機材の発展のお陰で特殊機材を使わなくても、カメラとレンズさえあれば手に届く写真になりつつあります。

でも、簡単な撮影ではないことは違いありません

いつかできる日が来るのだろうか・・・?
とずっと機会を待っていました。
今日は、「Canon EOS R3で野鳥の飛び出しシーンの撮影をしました」と題してのお話です。
偶然、モズと仲良くなりました
野鳥は人と会話はできません。私が危害を加えないと思っても、野鳥には伝わりません。
そして、世界では、人は野鳥に恐怖を与えてしまう機会が多々あります。野鳥は学習し、人を見ましたら即逃げるようになってしまいます。
そんな中、私は人に対する距離感が通常とは異なるモズと出会いました。チャンスと思い、時間をかけてゆっくりと信頼関係を築きました。
モズは、一定の距離を保てば、私を恐れなくなりました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
EOS R3の性能
昨年11月末、Canonは待ちに待ったフラッグシップモデルのEOS R1を発売しました。色々言われてはいますが、スーパーミラーレスカメラです。
私が持っているEOS R3は、動体を撮影するカメラとしてトップの座をEOS R1に受け渡しました。
とはいうものの、EOS R3もそれなりのカメラです。
野鳥写真では撮影者に向かってくる飛翔シーンも誰もが撮影したい写真です。EOS R3はオートでいとも簡単に撮影することが可能です。

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
フィールドのデータを集める
モズといい関係を築いたものの、飛び出しシーンの写真を撮るとなるとそれは別の話。ずっと観察を続けました。
使い続けているQFieldとQGISにデータを入力し、撮影できる可能性が高い場所をプロットしていきました。
いろいろなレンズを試す
私は過去に赤外線センサーと1/100,000 sのスピードライトの閃光を使って野鳥を撮影した経験があります。それ以外にもリモートコントロールによる無人撮影もあります。
初めに無人撮影を試みました。ただ、フィールドに変なものが増えましたので、モズは警戒してしまいました。
マークしていた場所とは違うところに止まってしまい、長期間の慣らしが必要であることが分かりました。

この方法は無理か・・・
無人撮影はできなかったものの、モズとはいい関係が続いていました。

ということは、難しいと思っていた手持ち撮影の方が、今回は適している?
私が持っているいろいろなレンズを試してみました。
- 焦点距離1,344 mmでは、アップに写るだけ。
- 焦点距離960 mmでは、EOS 7D Mark IIを使うので、一発勝負。
- 焦点距離840 mmでは、シャッターを切っても画面の外に出やすい。
- 焦点距離600 mmでは、上記と同じ結果。
- 焦点距離400 mmでは、モズはとりあえず画角に収まった。
そんな理由で、私が持っている機材ではEOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM USMが最適ということになりました。

撮影は思ったよりも上手くいきました
モズのスピードは速いので、AFは間に合いません。ピントをMFにして、モズが動いた瞬間にシャッターボタンを押すという原始的な方法で撮影を試みました。
撮影した写真はAdobe Lightroom ClassicでRAW現像し、ノイズ除去し、トリミングをしました。私はトリミングはしない方ですが、飛び出しのシーンに関してはトリミングするしか方法が無いようです。
撮影できた写真を見ますと、モズは獲物に対して2種類の攻め方をしていました。
1つは自由落下。止まり木に留まりチャンスを伺います。そして、「行ける」と思ったら止まり木からそのまま落ちるような飛び方を見せました。

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM
もう1つは一般的にいわれている飛び出し。止まり木よりも離れている獲物を狙う時に使っていました。

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM
EOS R3がEOS R1に敵わないところ
EOS R3とフラッグシップモデルのEOS R1は形がよく似ています。性能もよく似ています。
シャッタースピード、画質、連写速度はほぼ互角と言ってもいいでしょう。ただし、フラッグシップモデルのEOS R1にしかない機能もあります。

それはプリ連続撮影です
この機能はEOS R3にはありません。
今回、焦点距離400 mmの超望遠レンズを飛び出しシーンの撮影に使いました。理由は人間の反応速度の限界です。
モズが飛び出してから私がシャッターボタンを押すまでにタイムラグが生じ、どうしても焦点距離400 mmの画角の広さが必要でした。
もしプリ連続撮影が可能でしたら、もっと焦点距離の長い超望遠レンズを選べたはずです。また、写真の歩留まりも向上するでしょう。

今回の撮影で、EOS R1がフラッグシップモデルである所以を実感しました
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今日は、「Canon EOS R3で野鳥の飛び出しシーンの撮影をしました」と題してのお話でした。紆余曲折ありましたが、とりあえずモズの飛び出しシーンの撮影ができました。

結局のところ、一番重要だったのはモズと仲良くなったことでしょうか?
現在、モズのオスは餌をとり、抱卵しているメスに運んでいます。このままいい関係を続けて、機会がありましたら新たなシーンを撮影させていただきたいと思います。
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