私は八丈島7年目です。2023年、6月の雨や霧が少なかったように思えます。
例年ですと、坂上は霧で真っ白になる日が続き、車はライトの点灯し忘れを気をつけなければなりません。
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でも、今年はそういう日があまりないんですよね
八丈島で生まれ育った方々でしたら、私よりももっと実感しているのではないでしょうか?
今日は、「東京都八丈島の2023年の梅雨はどこへ行ったの?」と題してのお話です。
タネコマドリ
本来、八丈島のタネコマドリは春に縄張り争いを行い、すぐにペアになり、営巣します。巣立ち雛もすぐに見られるようになります。
今年ももちろん若鳥の姿を見ています。でも、出てくる時期がバラバラのような気がします。
日長の変化はないのですが、今年の気温と湿度の変化は例年とかなり違います。私がデータを採っているフィールドでは、未だに営巣をしているタネコマドリがいました。
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM
営巣の邪魔をしないため、ブラインドを使って撮影しています。
ウミネコ
八丈島では、6月はリュウキュウツヤハナムグリの羽化が見られます。これを狙ってウミネコは地上付近に集まったりします。
しばらくしますと、営巣し、黒っぽい個体が増えてきます。この黒っぽい個体がウミネコの若鳥です。
ところが、このウミネコも例年のサイクルから外れているような気がします。
地面を探してもリュウキュウツヤハナムグリはいません。ウミネコは、代わりに、ミミズを探しています。
ウミネコの行動の変化を見ていると、環境条件の変化、それに影響された昆虫の生態の変化を見ているようです。
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ダイサギ
例年通りではない梅雨ですが、突然大雨が降ったりするのも八丈島です。これは海洋性湿潤気候のためです。
本土では、バードウォッチングは天気のいい日にやるものでした。
大学のバードウォッチングのサークルに所属していたとき、雨の日に野鳥を見に行ったら、
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雨の日は、双眼鏡が壊れてしまうので、行かなくてもいいんだよ
と先輩からアドバイスをされたのを今でも覚えています。
ところが、八丈島に住んでから雨は身近な天気になりました。そして、
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雨もいいもんだなぁ・・・
と思うようになりました。雨の日しか見られないシーンが、たくさん見られるからです。
双眼鏡は防塵防滴に改良されました。今はいい時代になりましたね。
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
シマホタルブクロ
どんなに強く雨が降っても、花を上下逆さまにつければ問題ありません。これを地でいっている植物がシマホタルブクロです。
こんな面倒くさい形態をしていますので、訪花昆虫の方が困りますよね。シマホタルブクロの場合は、アリが受粉の担当しているようです。
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小さなアリが茎や花びらの上を歩いていることがよく見られます
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EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro
今日は八丈島の2023年の梅雨がおかしくなっているお話をしました。梅雨だけなのか、それとも一年を通しての気候のズレなのかは今のところ結論は言えません。
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でも、最近の数年は一年の気候の変化がズレているような気がします
動物は植物や昆虫に比べますと、気象条件に敏感に応答し、変化することはできません。変わりづらいことの意味をフィールドから勉強しています。
それでも、ときどき雨が降りますと、八丈島らしさを感じます。このまま夏になってしまうのか、それとももう一度梅雨らしい雨が来るのか、気象の変化を観察するのも楽しいですね。
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