野鳥写真を撮影するのは楽しいのですが、自身の限界を超えたいと考えていました。
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何か足りないと思っていたからでした
2024年、春になってからは時間があれば、私はずっとフィールドにこもっていました。自身の観察の視点が、まだまだ精度が甘いということを感じました。
観察時間は1時間、2時間、3時間、・・・と伸び、その日数は1日、2日、3日、・・・と伸びていきました。
フィールドでは、私の知らないことがたくさん起きていました。
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データも溜まってきたし、少しやってみるか・・・
今日は、「2024年、自身で調べたフィールドで初めてリモートコントロール撮影をしました」と題してのお話です。
通常の野鳥写真は手持ちで撮影しています
私はいろいろなところのデータを持っています。それを基に写真を撮っています。
カメラを持って野鳥と対話しながらの撮影はとても楽しいものです。
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EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
いつも同じことを繰り返しているような感じがしていました
もちろん、いつも出会う野鳥とはいい関係を築いています。野鳥は私を怖がって飛び去ることはありません。
ですが、それは一面。私が見ていないものがあるのかも知れません。
これに気づき、
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一度、カメラを置いて、観察した方がいいのでは・・・?
と思うようになりました。
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自由にできるフィールドで独りで観察し続けました
八丈島の土地の90%は私有地です。山だからといって入りますと不法侵入になります。
そこで、地主さんの許可を得て、定点で観察することにしました。
観察を始めるといろいろなことが起きました。
気温がだんだんと暖かくなるにつれて、カが増えてきました。カの対策をしました。
ブラインドを使ったり、遠く離れたところに車を止めて観察したりもしました。
車のエンジンを切り、一定の時間が経つとガラスが曇ってくることも分かりました。
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観察中、いろいろなトラブルがありましたね
そんなことを一つひとつ解決して観察を続けますと、面白いことが見られました。タネコマドリのオスの移動ルートが見えたのです。
タネコマドリのオスのリモートコントロール撮影
今から30年前のリモートコントロール撮影は、フィルムの一眼レフ、マニュアルフォーカスのレンズを使いました。
野鳥が止まりそうな枝を見つけたあと、野鳥は立体ですので、ピントの位置を枝から目の位置までわずかにずらします。そして、より撮影の成功率を上げるために絞りをF11やF16に設定し、フラッシュを使います。
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昔の野鳥の生態写真がフラッシュが多かったのはそのためです
2024年の現在、あれから機材はとても進化しました。今では特別の場合を除いてフラッシュは必要ありません。
ミラーレスカメラを使いますと、自動で瞳検出ができます。ピントはオートフォーカスで問題ありません。
さらに、シャッター音を消すことができます。リモートコントロール撮影は本当にやりやすくなりました。
テストでタネコマドリのオスの動きを観察しました。タネコマドリはカメラに驚くことなく、これまでの観察どおりに枝に止まりました。
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これを確認したとき、心臓がどきどきしました
そして、本番。タネコマドリはお気に入りの枝でいろいろな角度で過ごしました。
レリーズをそっと押しました。シャッター音は聴こえません。タネコマドリのオスが去ったあと、結果を確認しました。
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF70-200mm F4L IS USM
今日は、「2024年、自身で調べたフィールドで初めてリモートコントロール撮影をしました」と題してのお話でした。
フィールドの調査の過程、問題点の解決を紹介しました。やってみないと分からないもので、いろいろなトラブルがありましたね。
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一つひとつ解決していきました
昔と今のリモートコントロール撮影の違いについてお話しました。
そして、緊張の本番。
まだまだ、終わりではありません。これからも記録をし、学びながら、創意工夫をして、野鳥に迷惑をかけないように撮影したいと思います。
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