3月末で八丈島生活も9年目が始まります。
八丈島に来てから自然がとても近くになりました。それにともない、私は、野鳥をはじめ、様々な自然の写真を撮り始めました。
EOS 20D、EOS 30D、EOS 6D、EOS 6D Mark II、EOS 7D Mark II、EOS R3とカメラは進化し、気づけば30万回シャッターを切っていました。その写真のかなりの部分はこのブログで紹介しているわけですが、
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もうそろそろ、区切りとしてまとめてもいいかも・・・?
と思うようになりました。
今日は、「八丈島の身近な自然を紹介した写真集をKindleで出版しました」と題してのお話です。
紆余曲折の写真人生
私がカメラを持ち始めたのは大学生のとき。主に野鳥を撮影していました。
大学のサークルでは、半年で先輩に追いつき、さらに半年でトップに登りつめ、現役の先輩やOB・OGからはプロになると言われていました。
今振り返りますと稚拙な写真のオンパレードだったのですが、本人もその気になってプロになるつもりでした(笑)。
当時は
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いつかはプロになって写真集を出したい・・・
と口にしていましたね。
ところが、色々あって大学院に進み、研究者となってしまいました(笑)。
その間、平凡社の動物生態学雑誌のアニマにプロと一緒に写真が掲載されたり、撮影した写真が総合科学雑誌のProceedings of National Academy Sciences of the United States of Americaの表紙を飾ったりと写真のみでも、それなりの成果は出しました。
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そして、なんの運命か八丈島に来てしまいました
写真を撮っている人は誰でも夢に思う自身による写真集の出版
写真は様々な表現方法があり、撮影者は目的を持ってそれを選択します。
私の場合は、素材:表現=90:10を目指しており、光のテクニックは極力使わないようにしています。自然の知識を増せば増すほど、それらを出来るだけ写真に詰め込みたいと思うようになったからです。
そのような意図の写真がどんどん溜まっていきました。そして、若い頃に夢に思った写真集の出版が現実味を帯びてきました。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
写真の選抜
そして、ついに写真集を作ることを決心しました。ネットや本では、
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Kindleで簡単に作れる!
といたるところで見られました。何でも情報にのせられやすい私は、
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そんなに簡単ならばやってみるか!
と軽い気持ちで始めました。
写真集には当然写真が必要ですね。私は撮影した写真をAppleの「写真」アプリで管理しています。
調べてみますと気の遠くなるような数でした。なんとその数、残っているだけで17万枚。
何事も一度始めたら最後までやる性格。諦めて、写真の一枚一枚を振り返り、自身がベストショットと思うものをピックアップしていきました。
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初めは八丈島の野鳥の写真集を作るつもりでした。
ところが、私は並行して八丈島の風景と植物も撮影していましたので、写真を拾っていきますと分岐が出てきたわけです。
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初めての写真集は多くの方々に伝えたいし、分かりやすい方がいいかなぁ・・・
そんなわけで、テーマは八丈島の身近な自然とし、野鳥、植物、光るキノコ、風景が含まれる写真集にすることにしました。
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EOS 6D Mark II+EF100mm F2.8L Macro IS USM
選ばれた精鋭600枚の写真の中から95枚までしぼる
私は撮影するときは毎回ベストを尽くしており、その中でも最高のものを「写真」アプリに残していました。この17万枚の時点でベストショットの集合でした。
ただ、テーマを決めますと、
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これは合うな・・・
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これはちょっと違うか・・・
とある一定の基準で選抜できるようになってきます。そうして選ばれたのが600枚。
写真集には100枚くらい入れようと考えていました。ですので1/6にするにはどうすればいいか?
テーマをさらに細分化しました。当初はキノコ、シダ植物、青ヶ島、御蔵島、三宅島、三原山、八丈富士も含まれていましたが、悩みながら最終的に八丈島から連想される動物(野鳥)、植物、光るキノコ、風景、波、八丈小島にしぼって読者に分かりやすく伝えることにしました。
最近、ブログの更新が進んでいなかったのはこの作業をしていたからでした。
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Kindleでの出版の情報を集め、実行する
自費出版はKindleを含めても初めての経験でした。ですので、先ずは情報収集です。
Kindleの解説本を購入し読みました。本は大まかな操作の流れは参考になりました。ただ、細部はアップデートが遅いので、ネットでの検索が一番役に立ちました。
覚えるのに一番大切なのは自分の手を動かすこと。試行錯誤した結果、私はマイクロソフトパワーポイントに写真を貼り、情報を余白に書き込み、一枚一枚スライドを作っていきました。
そして、操作をしている間に必要性が生まれます。表紙の作成、冒頭と終わりの挨拶、著者の紹介のページを作成したり、出来上がったスライドをスライド一覧に表示することにより写真集の「流れ」を作りました。
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要求されるフォーマットを用意する
Kindleの写真集の作成はアカウントを作成したのち、Kindle Createで出版専用のkpfファイルを作成します。
前述で写真集原稿の作成が終わりました。このときのファイルサイズは500 MB。
Macの場合は、この原稿をエクスポートでpdfファイルにするのではなく、印刷側からpdfファイルで保存で準備します。こちらの方が解像度が高くpdfファイルでも150 MBのサイズとなりました。
この150 MBファイルをKindle Createで読み込み、目次やリンクなどを挿入し、kpfファイルへ変換保存。これがKindle出版専用のファイルとなります。
Kindle Createでは、タブレットでの表示のシミュレーションも可能です。
表紙は、pdfファイルで作成し、Adobe Photoshopで読み込み、jpgに変換します。これが表紙専用ファイルとなります。
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その他は、ネットで情報が落ちていますので、それらを基に進めました。
そして、2025年2月26日の今日、ようやく発売が開始されました。
販売用の最終処理後のファイルサイズが294.9 MBととても大きくなってしまいました。この問題を活かし、写真の枚数を減らすかあるいは解像度を下げるかの対応をし、次回作に望みたいと思います。
無料サンプルがあります。はじめにダウンロードしていただき、内容に納得がいくようでしたら、ご購入していただければ幸いです。
ご意見などありましたら、次回の写真集(次は八丈島の野鳥の予定)に活かしたいと思います。間違いを見つけましたら、こっそり教えて下さいね(笑)。
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よろしくお願いします
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今日は、「八丈島の身近な自然を紹介した写真集をKindleで出版しました」と題してのお話でした。
これまでの経緯、写真集を出版する志、写真の選抜、フォーマット準備などを紹介しました。
ネットでは、
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Kindleで簡単に作れる!
と、書かれていますが、大嘘です(笑)。操作は人によっては簡単かもしれませんが、特に写真原稿の準備が地獄でした。
ただ、写真は17万枚あります。次は八丈島の野鳥をテーマに写真集を出す予定です。
また、これまで私のブログで書いたことを
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本にするのもいいのかなぁ・・・
とも思っています。
といいましても、疲れましたのでしばらくは休みたいですね(笑)。
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八丈島の自然の写真集、よろしくお願いします
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