ミラーレスカメラのCanonのEOS R3を野鳥写真用に購入し、使い始めてから1年以上経ちました。圧倒的な正確さ速さのオートフォーカスと連射速度から、当初は、すべての野鳥写真はEOS R3で撮影するものとばかり思っていました。
ところが、この1年間で一眼レフのEOS 7D Mark IIの長所にも気づき、今では、状況によって使い分けるようになりました。
こう書きますと、ミラーレスカメラのEOS R3と一眼レフのEOS 7D Mark IIと比べてみて、仕上がりは区別できないくらいのものが撮れると思われますね。
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実際、そうです
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でも、ミラーレスカメラってローリングシャッター歪みの問題があるのではないですか?
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よくご存知ですね
今日は、「野鳥写真では、CanonのEOS R3のローリングシャッター歪みは無視できるレベルだと思います」と題してのお話です
ローリングシャッター歪みとは
一眼レフの場合はメカシャッターがついていますね。メカシャッターが開いた時間だけ、CMOSのピクセル一つひとつに、いっせいのせで同時に光が照射されます。
ですので、原理上、撮った写真には歪みは起きません。
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EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
一方、ミラーレスカメラでメカシャッターを使わない場合はどうでしょうか?ミラーレスカメラは、メカシャッターの代わりに電子シャッターを使いますね。
違いは、簡単にいいますと、スキャンするように電子シャターが順番に開き、CMOSセンサーに光を照射します。ここで、「スキャンするように電子シャターが順番に開き」が重要で、実は、電子シャッターが一つひとつ開くため、一番初めに照射したピクセルと最後に照射したピクセルには時間差が生まれてしまいます。
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ですので、高速で動く物体を撮影しますと、写真のように、本来、真っ直ぐなものが不自然に歪みます
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これをローリングシャッター歪みといいます
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EOS R3で野鳥を撮影した場合は、ローリングシャッター歪みは見られないか、あっても無視できるレベルです
EOS R3は通常のミラーレスカメラとは異なる裏面照射積層CMOSセンサーを搭載しています。読み出しが高速化されており、先ほどのミラーレスカメラ特有のローリングシャッター歪みは起きにくいとされています。
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先ほど、EOS 7D Mark IIで撮影したムナグロの水浴びの写真を掲載しました。歪みはありませんでしたね。
次にEOS R3で撮影した、種は違いますが、ハクセキレイの水浴びの写真です。
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
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EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
1枚目の写真で翼の1枚の羽が曲がっていますが、これは本当に羽が曲がったもので、ローリングシャッター歪みではありません。それを踏まえて3枚の写真を見ますと、高速で動いている翼や水滴の歪みは見られない、あるいは、あっても無視できるレベルだということがわかります。
高速で飛ぶ戦闘機やサーキットのF1やバイクレースなどと違い、野鳥の動きは遅いと思われます。そうしますと、野鳥写真では、EOS R3で撮影しますと、ローリングシャッター歪みが見られない、あるいは、無視できるレベルの結果になるようです。
EOS R3で野鳥写真を撮影する際に参考になれば幸いです。
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EOS R3