これまで私は、八丈島でチョウゲンボウ、ハヤブサ、ツミ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、チュウヒ、そして、ミサゴを見てきました。
稀に春~秋まで見られることもありますが、これらの猛禽(ツミとチュウヒは除く。)は冬鳥です。
幸運な時は彼らの狩りの瞬間を目撃することもあります。
八丈島は海に囲まれていることもあり、海周辺を眺めていますと、ミサゴが視界に入ってくることがよくあります。
ミサゴは魚を食べます。そのため、魚鷹とも呼ばれます。
ミサゴの足の指は、他の野鳥と配置が違います。通常は前3後ろ1の配置ですが、ミサゴは前2後ろ2にすることもできます。
このおかげで捕まえた魚をしっかりと掴み運ぶことができます。
そんな面白い生態を持つ魚を専門に食べるミサゴのお話です。
今日は、「2025年秋、東京都八丈島に魚鷹のミサゴが来ました」と題してミサゴの生態のお話です。
ミサゴのお気に入りの岩場
八丈島の海岸沿いをぐるっと一周しますと、ほとんどが断崖絶壁の地形であることが分かります。
私は毎年ミサゴの行動を観察しています。
ミサゴは、来島の初めのころは双眼鏡でも見つけやすい岩場にいます。しかし、時間が経過するにつれて人が近づかない岩場へと居場所を変えていきます。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ミサゴの飛び出しの瞬間
ミサゴは他の猛禽と比べて性格はおとなしいです。いつもじっとしていて、人に気が付きますとふわっと飛び去ります。
ミサゴがお気に入りの岩に止まっているのに気が付きました。ハシブトガラスにちょっかいを出されていました。
さすがに、何度もされたらおとなしいミサゴも怒ります。写真の画角の外のハシブトガラスに向かって威嚇をしながら飛び去りました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
八丈島を移動するミサゴ
八丈島には、本土のように大きな川はありません。魚がいるであろう水辺の面積もとても少ないです。
ですので、冬に来島したミサゴは、多くの場合は海岸沿いに姿を見せます。
八丈島の一周は60 kmですが、例えば坂下のエリアを横切りますと、最短で5 kmで八丈島の対岸へ行けます。
ミサゴは、海岸線と横断線を利用して八丈島の海を効率良く巡り、魚を獲ります。

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM
ミサゴのホバリング
私が初めて野鳥のホバリングを見たのはカワセミです。そして、次に見たのはアメリカのAnna’s hummingbirdです。

EOS 10D+EF400mm F5.6L USM
アメリカ合衆国デービス市で撮影。
それ以降、ホバリングをしている種は見ていませんでした。
ホバリングする野鳥は少ないのです。
ところが、このホバリング、ミサゴもします。風のない時は特に分かりやすく、目標を定めるために空中で一点にとどまります。
そして、ここからハヤブサのように羽をすぼめて海水へダイブします。

EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
ミサゴの食事場
八丈島のミサゴの行動はかなりの頻度で変わります。
私は魚の残骸を様々な岩場で見つけています。おそらく、ミサゴの食事の跡だと思われます。
ところが、食事場は一定期間を過ぎると違うところへ移動するのです。
観察して分かってきたことは、上述のハシブトガラスとの関係です。ハシブトガラスは4-5羽でミサゴを追い、魚を奪い取ろうとします。
この軋轢が、食事場の頻繁な変更に繋がっているのだと思います。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
今日は、「2025年秋、東京都八丈島に魚鷹のミサゴが来ました」と題してのお話でした。
八丈島のミサゴの見張り場、飛び出し、飛翔、ホバリング、餌場などの生態について紹介しました。
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