登山道の閉鎖は解除になったそうです。八丈島観光協会様からの2020年7月30日付のツイートです。
人がたくさん住んでいるエリアでは、大雨が降っても問題はあまり起きません。大雨が降っても車は走れるし、安全に歩いて移動もできますね。
でも、それは当たり前ではありません。普段、私たちの生活を営んだり、フィールドでのアクティビティができるのは、土木工事の治水の恩恵です。
先日、八丈島は1時間あたり50 mm以上の大雨が降りました。そして、大雨は断続滴に続きました。
今日は、「2020年7月28日現在、八丈島の富士山への登山道は閉鎖中です」と題してのお話です。
2020年7月26日に八丈富士の鉢巻道路と登山道入り口を見に行ってきました。土木業者の方々の迅速なご対応によって、かなりの土砂が取り除かれていました。
場所はこの辺りになります。
右側の赤枠のところを主に解説します。
道路脇には流れてきた砂礫が認められました。
ぱっと見きれいになっていますが、これは除去作業後で、土砂崩れが起きた形跡です。道路をきれいにしても、まだ、砂礫は残っています。
そして、土砂は下まで流れていっていました。
登山道入口付近に大きな土嚢がありました。写真には写っていませんが、土嚢の裏側は土石流が起きて深く削れた跡がありました。
最後に登山道入口付近です。
ものすごい勢いで、土砂が流れてきたのがわかります。管理の方々によって、立ち入り禁止の黄色いテープが張られていました。
これは土木業者さんの方々によって整備された後で、まだ良くなっている方なのです。ですので、歩けそうに見えますね。
では、土砂崩れ直後はどうだったのか?
その様子の写真は、八丈島の自然ガイドの「晴花日」さんのBlogで詳しく掲載されています。
実際には、短時間で大規模な土砂崩れが起きていました。
短期滞在で、自然の変化を読み取ることはとても難しいです。そのため、安全だと思い込んで、八丈富士の黄色のテープが張ってある登山道へ入っていった観光客さんもいらっしゃったそうです。
でも、想像してみてください。行きは登れます。帰りも下れます。
果たしてそうでしょうか?
八丈島では、短時間に予想外の大雨が降ることは日常茶飯事です。島特有のスコールといえばわかりますね。
そして、登っている途中、あるいは、土砂のない場所までたどり着いた後に大雨が降れば、今あなたが見ている場所は「晴花日」さんが掲載したのと同じ量の土砂が一気に落ちてきます。
行きも帰りも、助かるチャンスは一縷の望みもありません。
八丈島観光協会様のツイートです。
そのようなわけで、現在、八丈富士の登山道は閉鎖されています。みなさま、八丈島では、想像力を働かせ、安全に注意し、危険な箇所には行かないよう、よろしくお願い申し上げます。
追記
2021年5月20日現在、登山道は通行可となっています。