最近の八丈島は太陽が見えません。空は青空ではなく、雲で覆われています。
雨が降っていない場合も、八丈富士や三原山の山頂付近は霧です。
そういうわけで、生物に対しては水の供給は十分な環境となっています。
今年は、試験的に光るキノコの撮影ツアーを開催しました。今回は自生のキノコ縛りでしたので、準備が大変でした。
お客様が来島される日に、キノコが出るかどうか分からないからです。
ただ、そういう意識で環境を眺めますと、事前に見なければいけない場所もだんだんと分かってきました。
どんなことも、自分で動かなければ何も分かりません
今年の夏はいい経験をしています
今日は、「2021年7月上旬、東京都八丈島のある森のヤコウタケの発生条件と子実体の様子」と題してのお話です。
ヤコウタケの子実体を形成するまでの環境条件
本当は、自分で測定するのが一番なのですが、ズルしてネットで八丈島の気象データを調べました(笑)。
日照時間と風速は関係なく、降水量はもちろん水が必要ですので大切ですが、それよりも湿度が大切です。そして、日長が短日条件では、子実体の形成はダメということが分かっています。
昼間の自生のヤコウタケの様子
目が慣れてきますと、昼間でもヤコウタケは見つけることができます。
ヤコウタケは一日中光っていますが、昼間では光が強すぎますので、キノコ本来の色(白色)となります。
写真中央にヤコウタケの子実体が2つ見えますね。そして、左上と右下には子実体になる直前のヤコウタケが見えます。
そして、いい条件になりますと、ヤコウタケは群生になります。
ただし、この群生は子実体形成から時間が経っており、夜はあまり光りませんでした。
夜のヤコウタケの様子
ヤコウタケの子実体の数が多いと、美しい個体を選んで見ることができます。昼間目星をつけて、夕方に更に形いい個体がある場所をマークしておきます。
そして、日没から1時間後、目の前には緑色に強く光るヤコウタケが見られます。
マクロレンズでのアップの画角で複数のヤコウタケの子実体が入るのは稀です。でも、条件が揃えば、写真のようなシーンを撮影することができます。
私のヤコウタケの知識は、昨年から今年にかけて大幅に増えました。でも、まだまだ分かっていないことがあります。
色々な応用に使うためにも、今後も調べ続けたいと思います。