以前、春の八丈島のフリージア畑の花の写真を紹介しました。園芸植物の花は、様々な労力が結集されています。ですので、とても美しいです。
それと比べると、野生の植物の春の花はちょっと地味かもしれません。でも、散策しているとき、突然に目に入るとそれだけで喜びが増します。
今日の八丈島の気温は、20度まできました。北国育ちの私にはとても暑いです。そして、暖か過ぎるので、今ごろの春の花は散ってしまうと思います。
今日は、「春の八丈島で花を咲かせる様々な植物について」と題してのお話です。
みなさんは、フィールドにいる散策者が山側から海側へ向かって歩いていると思ってください。
まず、トップバッターはオオアリドオシの花。オオアリドオシとアリドオシの違いは、棘と葉のそれぞれ長さの比率といわれています。棘長:葉長の大きいのがオオアリドオシ、小さいのがアリドオシだそうです。でも、個人的には、
栄養や環境条件が植物体の生長に与える影響は考えなくてもいいのか?
塩基配列レベルで種の判別をして、白黒ハッキリしていただける研究者がいればいいのに・・・。
と思っています。
次はコハクサンボクの花。三年も八丈島で自然ガイドをしていると、目が慣れてきます。いつも見る植物、そして、自分の知らない植物。コハクサンボクは、このような基準で見つけました。
あ、よくわからない花・・・・
写真を撮って、家に帰って調べたら、コハクサンボクでした。小さいながらしっかりとして明確に見える構造の花がたくさんついていて、そして、ツヤのある大きな特徴的な葉。自分の力で判別できた初めての植物でしたので、とても、記憶に残った植物でした。
次はマルバアキグミの花。八丈島は、噴火によりマグマが噴出し、流れ出て、海水で冷やされてできた島です。ですので、海岸まで溶岩で形成されています。
海岸線の公園を歩くと、今の時期、花の香りがします。マルバアキグミは、公園に生えているので、もしかしたら、人為的に植えられたのかもしれません。
ぱっと見、葉しか見えませんが、植物体に近づいてよ~く見ると、小さな花がたくさんついているのがわかります。香りの正体です。八丈島の海岸は風が強いのですが、健気に花を咲かせている姿を見ることができます。
最後はイワタイゲキの花。私の基準では、この種も変わった植物の一つです。
イワタイゲキは、溶岩でできた海岸に生息しているのです。みなさん、想像してみてください。八丈島はかなりの頻度で悪天候になります。そのとき、海からの塩も被るでしょう。多くの植物は塩害に弱いのです。それなのに、普通に生え、普通に花を咲かせます。
まだまだ紹介したい植物はありますが、今日はここまで。八丈島は、離島あるいは孤島に含まれますが、その特殊な環境で生きる不思議な生き物がたくさん生息しています。ウイルス問題が、解消したら、ぜひ八丈島に足を運んで、あなたのその目で確かめてみてはいかがでしょうか?
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