2020年11月7日の夜、八丈島は1時間あたり50〜80 mmの大雨でした。車のワイパーを全力で動かしても前が見えないくらいです。
八丈島に来島して、前日がこのような天気でしたら、林道などの山道は控えたほうが良いと思います。お客様は、気をつけて運転してくださいね。
話は変わりますが、今日は、「東京都八丈島にいるタカのごはんはネズミ?」と題して、冬の八丈島に来島するチョウゲンボウのお話です。
小型のハヤブサ、チョウゲンボウ
タカというとハヤブサのようにガッシリとした体つきの野鳥を連想しますね。以前、チョウゲンボウとハヤブサの両方を紹介しましたが、チョウゲンボウの方がスリムに見えます。
チョウゲンボウは野外ではホバリングをする姿がよく見られます。その様子からもわかりますように、羽をバタバタさせるというよりも、むしろひらひらと羽ばたく感じです。
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
チョウゲンボウの視力はとてもいいです
チョウゲンボウがホバリングから急に飛翔様式を変えました。ワシやタカの目の能力は人の目よりもはるかに優れているといわれています。
どうやら、草むらの中に獲物がいたようです。すぐに草むらに向けて滑空をはじめました。
こんな上空からでも、はっきりと獲物が見えるのですね。
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
チョウゲンボウが捉えた獲物は何?
草むらからチョウゲンボウが出てきました。左の足に何かを掴んでいますね。
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
器用に食べています。何回かくちばしでくわえたら、白い翅のようなものが獲物から外れました。
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
そうです、このチョウゲンボウが捉えたのは昆虫です。
今の季節、八丈島では卵でお腹が膨らんだカマキリを見ることができます。チョウゲンボウはこの虫を狙っています。
EOS 6D+EF50mm F2.5 Compact Macro
獲物の選別は個体数で決まる?
私たちはTVや雑誌の影響で、ワシやタカは小型の脊椎動物を食べるように思っています。それもそのはず、猛禽よりもはるかに小さいモズでさえ、ネズミを捕らえたりします。
ですが、もし、チョウゲンボウがネズミばかり獲るようでしたら、それは八丈島にネズミがたくさんいるということです。
ネズミが色々なところに住んでいるといっても、八丈島では大多数のネズミの命を維持できるほど豊かな土地ではありません。
そのような、個体数のバランスがあるからこそ、八丈島では、チョウゲンボウは昆虫のハラビロカマキリを捉えるのではないかと思います。
最近は、ひらひらとホバリングしているチョウゲンボウを見ると、
写真を撮りたい
というよりも、穏やかな気持で、
がんばってカマキリを獲ってください
と思えるようになりました。
八丈島の冬の風物詩はザトウクジラです。ですが、地上も虫を食べるチョウゲンボウというタカを楽しむことができます。機会があれば、ぜひご覧になってくださいね。