2025年の八丈島の6月は、ここ数年では久しぶりの梅雨らしい天候です。
雨が降っていないときは、アシジロヒラフシアリは狂ったように家屋へ侵入しようとします。

私は朝、昼、夕方と1日3回は侵入をチェックしています
そして、湿度は5月中旬から90% R. H. 超えの日がかなりの日数になりました。室内の湿度対策は万全にしないといけませんね。
さて、ここ数日は、八丈島は、雨、霧雨、霧の日が続いています。本土ではなかなか見られない世界です。
今日は、「2025年6月中旬、霧に包まれた東京都八丈島の山側で見られる植物と昆虫の様子」と題してのお話です。
降雨と蒸発の均衡の世界
八丈島は、毎日雨のような世界ですが、夏に近づくにつれ気温は徐々に上がっています。
空からは雨が降りますが、それに抗うように地上からは気温によって水が蒸発します。
雨の中、麓から三原山を眺めますと、山をキャンパスにして水蒸気によって描かれた水墨画の世界が広がっていました。

海沿いの様子
夜は大雨、昼間は風の強い霧雨の日。海周辺の崖からは地表水が直接海へ流れ込む小さな滝が発生していました。
湿度100% R. H. の空気は風によって崖を駆け上がり、霧を発生していました。山頂付近は厚い霧に覆われ、視界はありませんでした。

八丈富士の様子
地上からは八丈富士は全く見えません。鉢巻道路まで行ってみますと、視界は真っ白。
車を運転するときはライトを点灯しないと危険です。

車を安全なスペースに停め、レインウェアを着て少し歩いてみます。
近くの木々を見上げてみました。周囲は厚い霧に覆われており、ぼやけた世界が広がっていました。

霧の中で見つけた白いガ
今の時期、霧の中ではハエ目、ハチ目、コウチュウ目の昆虫が見られます。チョウ目は羽に水滴が溜まりますので、あまり見られません。
周囲を注意しながら歩いていますと、白いものが目に留まりました。

何だこれ・・・?
カイコガのような白い体と白い羽をしたガが霧の悪天候の中でじっと耐えていました。
これだけの大きさです。名前がついている昆虫だと思いました。
昆虫の分類は私の専門外です。写真を撮って家で調べてみました。
そうしますと、そのものズバリの昆虫がヒットしました。

ウスキツバメエダシャクというそうです

EOS 6D Mark II+EF100mm F2.8L Macro IS USM
霧の中で咲く花は昆虫の争奪戦になります
本来、花は花粉を飛ばし受粉するためのものです。湿度が高い世界では非効率な器官です。
霧の中を散策しますと、この時期に咲く花は限られています。
アシタバの花を見つけました。というよりも昆虫が集まっている何かに気づいたと言った方がいいでしょうか?
そこには、体を霧の水滴で濡らしたハエ目とハチ目の昆虫が引き寄せられていました。

シマヤマブキショウマの次の花の準備がされていました
この霧の中、八丈富士の鉢巻道路ではクリーム色の花が咲いています。
先日紹介したシマヤマブキショウマです
シマヤマブキショウマは、今の時期限定で鉢巻道路でも限られた場所にしか見られません。そして、昆虫を引き寄せた後、すぐに次の花にバトンを渡します。

たぶん、あるはず・・・
そう思って散策しますと、赤い茎、赤で縁取られた葉が見つかりました。

これはハチジョウショウマです

もう少し経ちますと、この蕾から白い花が現れます

今日は、「2025年6月中旬、霧に包まれた東京都八丈島の山側で見られる植物と昆虫の様子」と題してのお話でした。
霧に包まれてた八丈島の三原山、海沿い、八丈富士の様子、この悪天候の中じっと耐えているウスキツバメエダシャク、そして、シマヤマブキショウマの次に花をつけるハチジョウショウマを紹介しました。
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