2024年5月20日、八丈島は風が強かったためANAの1便と2便は欠航しました。
海を見ますと、風が強く、波も高かったです
八丈島は短期間で天気が変わりますね
八丈島は荒れ気味の天気ですが、野鳥は天候の変化に気をつけて生活をしています。
海を眺めていますと、ウミネコは私の前を次々と通過していきました。
そんなウミネコですが、毎年、考えさせられることが目の前で起きています。
今日は、「毎年のいくつかの命の喪失によって、野鳥は人との距離を測っています」と題してのお話です。
重そうに飛ぶウミネコを見つける
八丈島では、ときどき重そうに飛ぶ野鳥を見つけます。今日はそのウミネコを見つけました。
あっ・・・
たぶん・・・
飛び方で何が起きたか分かりました。私の近くに降りましたので撮影しました。
ウミネコは頭を足の近くに何度も持っていっていました。
ウミネコの足を拡大してみると・・・
先ほどの写真を拡大してみました。ウミネコの足には、テグスと新旧のスナップ付きサルカンが絡んでいました。
ウミネコのくちばしや体では、これらを切ったり解いたりすることはできません。
ウミネコはときどき休憩をしました
ウミネコはなんとか群れが集まるところまで来ました。ひたすら足についたものを外そうとしていますが、休憩をはさみ、座り込んでしまいました。
ウミネコの頭の部分を拡大してみると・・・
ウミネコの問題は足だけではありませんでした。口の開き方がおかしかったので、頭の部分を拡大してみました。
口からテグスがぶら下がっていました。針も口に刺さっているようです。
ウミネコとその他の生物との距離
ウミネコの羽根の綺麗さから見ますと、仕掛けが足に絡み、口に入ったのはつい最近のようです。
自然保護を考えている人は、仕掛けを捨てた釣人が悪いと言うでしょう。可哀想と思う人もいます。
その気持ちは否定しません。
でも、本当にそうなのか私は断言できません。短絡的にそう思っていいのでしょうか?
すべての釣人が八丈島に仕掛けを捨てますか?違いますよね。
八丈島に住んでいるすべてのウミネコが同じ状態になっているわけでもありません。
これは、魚がついた仕掛けが流れてしまったこと、人との距離が異常に近い個体の2つの要因が偶然に重なったために起きた事故だと私は思っています。
今日見た個体はまもなく死にます。でも、自然では、このような事故は日常茶飯事です。
でも、今回の死は無駄かといいますとそうではないと私は思っています。
野鳥は死というものを見ています。実は、ウミネコの群れはこの個体を迎え入れずに一定の距離をおいていました。
人に近づけば魚のおこぼれが簡単に貰える。でも、近づきすぎれば死につながる。
人との距離を間違えると何が起きるのか、ウミネコの集団も学んでいるのだと私は思います。
今日は、「毎年のいくつかの命の喪失によって、野鳥は人との距離を測っています」と題してのお話でした。
ウミネコの足と口に釣りの仕掛けがかかり、まもなく死ぬ個体と出会いました。
すべての釣人は仕掛けは捨てていません。偶発的に切れる場合もあります。ウミネコの方もおこぼれに集中しすぎて、人に近づきすぎでした。
フィールドでは、今回のことに限らず、普通に死というものが訪れます。私も何回も襲われるシーンを見てきました。
大切なのは、ウミネコと他の生物との距離のとり方です。
群れから外されたウミネコを見て、集団の方も起きたことについて学んでいるのだと思います。
PR