私は幸運にもCanonのEOS R3の初期ロットを手に入れました。
NikonのフラッグシップモデルのZ9の登場に耳をふさいだり(笑)、使いはじめてわずか4日でアイカップが破損したりしました(悲)が、それでも、EOS R3本体の性能に驚かされる毎日でした。
でも、半年使用してすべてがパーフェクトかといいますと、実はそうでもありません。
今日は、「EOS R3の得意なシチュエーション、苦手なシチュエーション」と題してのお話です。
EOS R3は、動く被写体を捉えるのが得意
EOS R3は、現在、Canonが発売しているミラーレスカメラの中で、一番の上位機種となっています。カメラの性能だけを考えますと、ライバルはフラッグシップモデルのEOS-1D X Mark III です。
しかし、EOS R3は、EOS-1D X Mark IIIよりもAFのスピードも撮影コマ数も上回っており、条件を満たせば、ただシャッターボタンを押すだけで、今まで撮れなかった写真が簡単に撮れるようになります。
例えば、猛スピードで飛翔するアマツバメですが、水を飲む瞬間も流し撮りで撮影できます。
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM
EOS R3の得意なシチュエーション
先ほど、条件を満たせばと書きました。半年、EOS R3を使ってみて分かったことですが、その条件は背景がシンプルであることです。
背景がシンプルですと、ファインダー内ではカメラが次のように被写体を検出します。自動で、被写体の体、頭部、そして、瞳を追従します。
被写体(野鳥)がどんな動きをしてもピントが追従しますので、撮影者は
- 瞳にピントが来ているか?
- 構図はベストか?
のたった2点だけを気にするだけでよく、心理的なプレッシャーが低くなりますので、撮影の成功率が一気に上がります。
例えば、アマサギが異常に近づきますと、撮影者の私は、とても緊張します。そんな中でも、EOS R3は確実に写真を撮ってくれます。
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF600mm F4L IS II USM
EOS R3の苦手なシチュエーション
EOS R3のAFはとても速いです。でも、これが仇となります。
手前に障害物がありますと、引っ張られてしまいます。
あなたに代わって、親切にピントを合わせてあげましたよ
でも、実際には草にピントが合います(笑)。
EOS R3は、全域AFを使うと、異次元の写真が撮れます。でも、障害物がありますと、思った通りの場所にピントが来ないのです。
視線入力も優れものですが、まだまだ完璧ではなく、カスタム撮影モードに1点AFや領域拡大AFも登録していますが、思ったとおりにいきません。
あわあわしている間に、ベストのタイミングを失います(笑)
EOS 7D Mark IIは、EOS R3で撮影できないシチュエーションも、撮影できる場合がある
EOS R3で苦戦しましたので、中古価格7万円のEOS 7D Mark IIに代えて、リベンジしました。
EOS 7D Mark IIは、「親指フォーカス、構図決定、シャッターボタンを押す」とシャッターを切るまでのステップが多く、EOS R3よりも撮影完了まで時間がかかります。
心の中で、
じっとしてて・・・
と祈りながらシャッタボタンを押します。でも、こちらの方が意外と確実で、アマサギがサソリモドキを捉えた貴重なシーンを撮影できました。
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
EOS R3で改善して欲しいところ
EOS R3の苦手なシチュエーションを解決するためには、カメラが被写体手前の障害物をいかに無視出来るかだと思います。
色々な方法があると思いますが、私としては、撮影者の癖をカメラが学んで欲しいと思っています。
私の場合は、EOS R3ではほとんど野鳥しか撮影しません。そして、使うレンズはEF400mm F5.6L USM、EF600mm F4L IS II USM、EXTENDER EF1.4xIIIです。
2つの超望遠レンズのピントを合わす距離は、全てを使っているわけではありません。EF400mm F5.6L USM、EF600mm F4L IS II USMで、それぞれ偏りがありますし、EXTENDER EF1.4xIIIを使ったときも、違った偏りが生まれます。
そうしますと、限られたピントを合わす距離に、被写体は高確率でいることになります。あとは、被写体認識を作動させれば、撮影者の意図を素早く取り入れることが出来るのではないでしょうか?
将来、EOS R3がファームアップデートして、EOS 7D Mark IIに絶対に負けないカメラになって欲しいと思います。
Canonさん、お願いしますね
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EOS R3