アイキャッチのダイサギ、美しいですよね。どの野鳥を見ても完成された美しさがあります。
しかし、このような完成された美しさは、この世に存在するのでしょうか?なんか禅問答のようですが、八丈島に来てから、野鳥はなぜ美しく見えるのかをずっと考えてきました。
今日は、「健康な個体だけが生き残っているから、野鳥が美しく見えるのでは?」と題してのお話です。
より深く考えるようになったのは、先日の左側の羽が骨折したチュウサギを見てからでした。この個体は、あれからしばらく経ってからも生存が確認できました。
2020年4月22日、左側の羽を傷めた後、健康だった右側の羽からも出血が見られました。どんどん美しくなくなっていきます。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
2020年4月27日、一応生きていました。体はどうしようもなくなっています。覇気もないです。変な体勢で休んでいました。どんな形でもいいから体を休めたいのが、全身から伝わってきました。
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私の写真での記録はこれで最後。そのあと数日は見られましたが、それ以降、この個体は見なくなりました
今年は、チュウサギの死体をたくさん見ました。精一杯の力を振り絞って八丈島までたどり着きました。でも、そこから先はありませんでした。
もう一つの例です。このゴイサギですが、右目がガラス玉のようになっています。ちなみに、この個体の左目は正常で黒目がありました。もう、両目を使って獲物は獲れません。
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EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
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野鳥はなぜ美しいのだろう?
健康でなくなると、体の様々な箇所にボロが出てきます。体の様々な箇所は崩れていきます。それだけならいいのですが、野生では最終的に死への道に繋がります。
全ての生命を受けた野鳥が美しく、人はそれを美しいと認識する。
それはたぶん違っていて、生き残っている個体のみ美しく見えているだけ。そうでない個体はすでに死んでいるということなのかも知れません。