冬から春に季節が変わっています。天気図を見ますと、日本列島を低気圧と高気圧が短い期間に交互に通過しています。
八丈島では、雨が降ったり強風が吹く日、天気が穏やかになる日が交互にきます。たった数日なのに、八丈富士を簡単に登れた人とそうでない人がいるのはそのためです。
さて、八丈島の気温も上昇してきました。ヘゴの森の様子はどうなったでしょうか?
今日は、「2024年3月中旬、東京都八丈島のヘゴの森の様子」と題してのお話です。
雨が降りますと、コケが元気になります
八丈島では、夜に雨が降る日が続いています。昼間にヘゴの森に行きますと、水を十分に吸ったコケを見ることができます。
ヘゴの森内のスギにもコケが生えています。
前者はよく見られるのですが、私は名前は知りません。誰か教えてくだされば大変助かります。
後者はヒノキゴケです。
ヘゴの森の緑は継続しています
シダ植物は寒さに弱いです。一昨年はヘゴの森にも雪が降り、そのためかなりの数のヘゴの葉柄が枯れました。
綺麗に入れ替わるまで半年くらいかかりましたね
それに比べて、今年は雹が少し降ったものの、回数はとても少なかったです。ヘゴの森の緑はいい状態です。
3月のヘゴの森で見られる花たち
八丈島の春の花といえば、シチトウスミレ、オオシマザクラ、そして、野生のイチゴです。島民は野生のイチゴを「アビ」とよんでいます。
ヘゴの森では、ハチジョウイチゴ、ハチジョウクサイチゴ、カジイチゴが見られますが、今はカジイチゴの花が咲き始めました。
そして、テンナンショウの季節でもあります。12月からシマテンナンショウが咲き始め、続いて2月からハチジョウテンナンショウが咲き始めます。
ハチジョウテンナンショウは、蕾と花が両方見られますので、まだまだ花は楽しめそうです。
ヘゴの森といいますと、シマテンナンショウとハチジョウテンナンショウがほとんどです。そして、少ない割合ですが、ウラシマソウも見られます。
今年はウラシマソウはけっこう見られますね
シマテンナンショウとハチジョウテンナンショウが葉を両手を上げるように広げるのに対して、ウラシマソウは葉は片側しかありません。
同じテンナンショウの仲間でも特徴が違いますね
ヘゴの森で見られる他のシダ植物について
初代のヘゴの森のガイドさんのお話では、ヘゴの森ではシダ植物が40種ほど見られるそうです。その中で、大型の部類に入るのがオオタニワタリです。
スダジイに定着し、樹上から降ってくる枯れ葉をキャッチし、腐葉土を作って自生しています。
このような生き方を着生といいます
ヘゴの森の散策路には、ヘゴ以外にも木生シダが見られます。
ヒカゲヘゴは、樹高はヘゴの5 mの2倍の10 m。ふさふさの毛で覆われています。
春になり、新芽も目立つようになりました。
山の上側では、ヒカゲヘゴの葉身の下をくぐるように歩く散策路があります。
今日は、「2024年3月中旬、東京都八丈島のヘゴの森の様子」と題してのお話でした。
低気圧と高気圧が短い期間に交互に通過していますので、八丈島でも、雨が降ったり強風が吹く日、天気が穏やかになる日が交互にきます。
雨のあとは、ヘゴの森のコケやヘゴが鮮やかになりますね。そして、3月中旬になりますと、カジイチゴ、ハチジョウテンナンショウ、ウラシマソウの花が見られるようになります。
オオタニワタリ、ヒカゲヘゴも新芽の準備が始まりました。