今朝、カーテンを開けて三原山を見ると霧のような雲がかかっていました。今日(2020年11月25日)は曇ときどき雨からのスタートでした。

よ〜く見ると、車のフロントガラスに水滴がついていました
午前中は菌を扱う仕事が入っていましたので、作業や心に一切の隙が起きないように操作の一つ一つを確認しながら行いました。八丈島にいても、この瞬間だけは、毎回、研究者に戻ります。
今日は、「2020年11月25日、東京都八丈島のヘゴの森ツアーの様子」と題して、午後のガイドの様子を紹介します。
何気ないものの中から見出す目
今日のお客様は、造園業を営んでいる方でした。ヘゴの森の散策路に入ってしばらく歩きました。

どこを見ているのだろうか・・・?
と思ったら、写真では分かりづらいですが、ヘラシダを手にとって見ていました。造園業を営んでいると、目の前の植物をどのように魅せるかという視点で見るそうです。

本土にはない木生シダ
都心に住んでいると、八丈島の植生は全く違うと感じるそうです。八丈島に住む私たちには当たり前でも、そもそも木生シダのヘゴは存在しないですね(笑)。どのお客様もこの場所に来られると、かならずこの場所で歩かれる足を止めます。

ヘゴは様々な植物の着生を認めています
実は、ヘゴは別種に対してゆるく対応をしています。ヘゴの幹にカツモウイノデ、リュウビンタイがついています。
これは共生よりも、着生とよんだ方がいいと思います。お客様も不思議がっていました。

ヘゴがシダとして分類される証拠
ヘゴは木生シダですので、樹上が生長の最先端になります。ヘゴが大きくなりますと、その最先端がどうなっているか分かりづらくなります。
このヘゴは、たまたま低い位置で新芽の様子が見られました。お客様はその様子をデジカメで記録されていました。

ヘゴの森一帯が見られるスポット

ここは毎回出てきますね。私も、ヘゴの森の中で、一番大好きな場所です。
パンフレットでは下から見上げるヘゴの写真が多いのですが、私は見下ろす方が好きです。今にも恐竜が頭を出しそうな雰囲気がいいですね。

ヘゴの森では、見掛け倒しの手すりに気をつけて
ヘゴの森は手作りの散策路で構成されています。ですので、ところどころ脆いところがあります。
私はよく、

信じていいのは自分の足だけ
とお客様に笑いをとっていますが、心の中は大真面目です。人は不意打ちにとても弱く、多くの大事故は予測していなかった一瞬です。
少し意識するだけで、事故は未然に防げます。旅行は、安全に、楽しく、でなければなりません。
今日のお客様は植物に対する知識が豊富な方でした。ところどころで話される造園による人に対する魅せ方(有料級)も解説されて、とても参考になりました。
今日はありがとうございました。また、八丈島にいらしてくださいね。