八丈島は常春の島です。冬といっても本土と比べたらとても暖かいです。
野鳥の繁殖期は3月からで、タネコマドリ、モズの巣立ちに始まり、6月までにシジュウカラ、オーストンヤマガラ、スズメ、ホオジロ、ヒヨドリなどが巣立っています。
今日は、「八丈島で巣立った野鳥のヒナのその後」と題して、あれからヒナがどうなったのかのお話です
日本には代表的なカラ類は、シジュウカラ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラです。そのうち、八丈島では、シジュウカラとヤマガラの亜種のオーストンヤマガラも生息しています。
八丈島のシジュウカラとオーストンヤマガラの声は、本土のシジュウカラとヤマガラの声に似ています。そして、巣立ったヒナの声も同様です。
巣立った直後は、両種ともペアで子供たちに餌を与えながら、巣の外の様々な様子を子供たちに紹介します。餌で釣ることによって、子供たちを強制的に飛翔させ、野外で「飛ぶ」ことの意義について食事をさせながら教育します。
ついていけない子は天敵に食べられてしまいますので、親鳥は一生懸命教えます。
人が近づけば、人のすぐそばで警戒音を激しく出し、「人=危険」を子供たちの記憶に深く刷り込みます。このときは、子供たちは藪の中で隠れていますが、しっかりと見て記憶していきます。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
教えこまない限り、野鳥は、危険な人と危険ではない人とは区別できません。親鳥と巣立ったヒナたちと一緒に警戒音を出しながら私の周囲にいるときは、距離を感じますので、少し寂しい思いがします。
日々、このスパルタ教育の後、ヒナたちは日に日にたくましくなっていきます。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
三原山で出会ったシジュウカラの巣立ちビナです。くちばしはまだ黄色、尾羽の長さが短く、胸のネクタイの模様も未成熟ですが、もう若鳥とよんでもいいくらいの立派な姿になっていました。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
こちらは三原山で出会ったオーストンヤマガラの巣立ちビナです。親鳥の頰とお腹のハッキリしたオレンジ色と違い、若鳥はくすんだ色をしています。
このヒナはもうくちばしが真っ黒になっています。一人前ですね。
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EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
こちらのオーストンヤマガラの巣立ちビナは、全身の羽の長さはほぼ成熟していますが、頭と背中の羽の黒い色が淡く、頰とお腹のオレンジ色もまだ若干くすんでいます。また、くちばしの付け根も黄色い部分が残っていますね。
それでも、ヒナたちは自分でチョウの幼虫を捉え、食べていました。もう、ご飯を食べるために、お父さんとお母さんの力は必要としていません。
卵で2週間、巣内で2週間、そして野外で1ヶ月。この地上に生まれてから、野鳥はわずか2ヶ月で大人と同じように生きなければなりません。野生の生き物はとても厳しい世界の中で生きています。
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