八丈島では、6月19日から自粛要請が緩和します。ただ、ワクチンによる対策が確立していませんので、島外からの方はガイドラインに従っての受け入れになります。
徐々にガイド業の再開の準備をしなくてはいけません。フィールドに出ると、たくさんの情報が入ります。
今日は、「八丈島の野鳥の子育てはラストスパートです」と題して、ホオジロのお話です
ホオジロの巣に気づいたのは、私とホオジロのメスとの距離です。
野鳥の写真を撮るとき、私と野鳥の距離はよくて20 m、結構よくて15 mです。でも、15 m以内に私が一歩足を踏み入れても、ホオジロのメスは動かなかったのです。
双眼鏡で見るとくちばしに何かくわえていました。
近くに巣があるのか
とすぐに思いました。
私はこれまでに16種類の野鳥の巣を見てきました。巣の形状によって、近づける巣、近づいてはいけない巣があることを知りました。でも、ホオジロの巣は今まで一度も見ていません。
このときにしてはいけないのは、知らないからといって、巣があるであろう場所にむやみに踏み込むことです。
まず、ホオジロのオスとメスの写真を撮りました。
オスはチョウやバッタ、メスはトゲナナフシをくわえていました。しかも、餌のサイズが大きいです。
ヒナが小さければ餌のサイズも小さいので、この観察から、今のヒナの発育時期は子育ての後半で巣立ち間近だということがわかりました。
なら、放棄する可能性が低いので、巣を観察してもいいですね
そうそう上手くいきません
子育ての後半ということは、プレッシャーをかけると恐怖でヒナが巣から飛び出してしまう可能性があります。
野鳥は羽がなければ飛べません。飛んで移動することもできず、天敵の恐怖も知らない状態で巣の外に出るのは危険すぎます。
一方、親鳥はヒナは巣にいると思っています。親鳥の意に反して、ヒナが巣と藪の両方にいる状態になると子育ての負担が大きくなってしまいます。
ここで重要なのは、何が何でも巣のことを知りたいではなく、未知ならば、一呼吸おいて、巣立ちの巣の観察に切り替えることです。その方が、今の私の観察レベルで得られる情報がMAXになります。
今日は初めてヒナの声を聴きました。とても小さな声ですが、親鳥とはっきりと聴き分けられました。
もう少しでホオジロのヒナは巣立ちです。空になった巣がどのような場所で、どのように作られていたのか、今からとても楽しみです。
PR