2020年9月12日の今日の八丈島は、久しぶりの大雨です。人の方が無茶をしなければ、山の木々や植物から生息する動物まで、恵の雨ですね。
昨日は、お客様から変わったお願いをされました。
八丈島は小さいので、短い移動距離で山から海までの水の流れが見られると思います
案内していただけませんか?
今日は、「八丈島の山から海までの水の流れについて」と題してのお話です。
今回のお客様は、写真はNGでしたので、案内した場所のみの写真となります。
八丈島は、八丈富士と三原山があります。八丈富士は、綺麗な円錐形な山で、人気の登山スポットです。
しかし、「水の流れ」となると大雨が降ったときは見ることができますが、昨日のように天気がいいと水の通り道くらいしか説明できません。
そこで、三原山側を選択しました。
現在、唐滝、硫黄沼は、登山道が崩落したため行くことはできません。コースは、三原川に沿って、ポイントポイントを紹介し、海まで行くことにしました。
大池
大池は三原林道沿いの大きな池です。多くの場合は水があるのですが、見に行ったときは激減していました。
奥の方に微かに水が見えます。三原山に雨が降ると、山頂の複雑な地形や地面に浸潤した水が湧き出たりして、最初の三原川が作られます。
三原滝上流
三原林道は、三原滝の少し上を通ります。橋がかかっていて、大雨が降ると大量の雨水が橋の下を通り、三原滝を形成します。
この三原滝は通常は存在していません。大雨が降った時に出現します。ふもとから見ると、三原滝(落差80 mといわれています。)はこんな風に見えます。
沢の小径
沢の小径は、アカコッコ、タネコマドリ、モスケミソサザイ、イイジマムシクイなどの野鳥やニホンイタチが見られるフィールドです。彼らは、ここで水を飲んだり、水浴びをしたりします。
林道に入ると、草刈りがされてとても綺麗になっていました。
三原川の水量は少なく、いつもよりも川底の岩が多く見られました。
裏見ヶ滝
裏見ヶ滝は温泉で有名な場所ですね。昨日はお休みでした。
目的は三原川ですので、裏見ヶ滝を目指して階段を登りました。裏見ヶ滝の散策路には橋があります。
橋から見ても、水がとても少ない状態でした。さらに上流に進みます。
裏見ヶ滝の水もちょろちょろでした。
大雨が降ったときはこんな感じになります。さすがに近づくのも怖いです。
当日は水量が少なくて、迫力はありませんが、三原山からの水の流れが続いているのはわかります。
藍ヶ江
最後は海です。三原山に降った雨は、直接あるいは湧水として三原川に流れ込みます。
三原滝、沢の小径の小川を流れ、裏見ヶ滝を落ち、最後は藍ヶ江港付近の川へ流れ込みます。ここまでくると水量は増します。
時間はちょうど夕方でした。
水の性質は川の淡水から海の塩水に変わります。ここで見られる生き物も変わりますね。
始まりの三原山頂上付近のため池では淡水魚ですが、最後は海水魚です。野鳥ではイソシギが見られました。
本土では、山から海までの距離はとても長いです。しかし、八丈島は小さな島。その水の長い旅をぎゅっと短縮して、見ることができます。
普段気にせずに三原川を見てきましたが、「水の流れ」という視点で追うと、八丈島にはまだまだいろんな顔があることがわかりました。
オーダーを出して気づかせていただいたお客様に感謝の日でした。
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