八丈島の周辺の海を眺めますと、蒸気機関車のような煙が海水面から突然上がることがあります。

これはザトウクジラのブローです
冬の八丈島ではおなじみのクジラのシーズンになりました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
一方、陸の山の斜面を見ますと、まだ台風22号、台風23号の影響が色濃く残っております。

さて、八丈島の大きな地形の変化は不可逆ですが、植物の生育、開花、種子の成熟と命の営みは止まることがありません。
今日は、「2025年12月上旬、東京都八丈島で身近に見られる野草」と題してのお話です。
ツワブキ
毎年八丈島では、11月から12月になりますと黄色いキクのような花を付けた野草が見られます。この花は山でも見られており、身近なところですと道路沿いでも見られます。

これはキク科ツワブキ属のツワブキです
ツワブキの花の季節は長く、今は12月ですが、かなりの期間ツワブキの花を楽しむことができます。

.EOS 6D Mark II+70mm F2.8 DG MACRO Art
イソギク
同じ黄色い花ですが、先ほどのツワブキよりも小型。こちらはキク科キク属のイソギクです。
ツワブキが山の花ならば、イソギクはその名の通り海沿いの花です。今年は八丈島の南西側で良く見られます。

EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro
ツルソバ
例年、八丈島では、ツルソバは長い期間で山から海岸までいたるところで見られます。
台風22号、台風23号では潮風が内陸まで入ってきました。しかし、その影響をあまり受けず、花も咲き、途切れなく繁茂していました。

EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro
センニンソウ
今年は左足首の骨折でセンニンソウの花の時期はあまり散策できませんでした。
受粉後、センニンソウの種は成熟し、今は種の拡散の時期です。
センニンソウの種には仙人の髭のような綿毛が付いています。これがセンニンソウの名前の由来です。
見つけたセンニンソウの種も、これからの八丈島の強風で拡散されていくことでしょう。

ハチジョウアキノキリンソウ
私は野鳥からフィールドに入りました。ですので、野鳥の識別は得意ですが、植物の識別は苦手です。
今でも「携帯で写真を撮って家に帰って図鑑で調べる」の繰り返しです。人に聞く方が時間の短縮かも知れませんが、私は、悩むことも含めて楽しんだ方が人生得するという考えで生きてきました。

実際、「悩む」のは面白い体験ですからね
既知の植物を増やしていきますと、だんだんと知らない植物が浮き上がって見えるようになってきます。

そういう方法で出会ったのが、ハチジョウアキノキリンソウです
通常は、三原山側で群生で見られるハチジョウアキノキリンソウですが、珍しく八丈富士側で単体で出会えました。

イズノシマダイモンジソウ
イズノシマダイモンジソウは、ユキノシタ科の植物です。その名の通り、「大」という字の花を咲かせます。
イズノシマダイモンジソウは、大本の茎から分岐し、たくさんの花を付けます。面白いことに、花は同時に咲くのではなく、時間差で順々に咲きます。
こうすることで、受粉に不適な気象条件になっても、不稔を回避します。

自然って良くできていますよね

EOS 6D Mark II+70mm F2.8 DG MACRO Art
今日は、「2025年12月上旬、東京都八丈島で身近に見られる野草」と題してのお話でした。
今の季節で見られる、ツワブキ、イソギク、ツルソバ、センニンソウ、ハチジョウアキノキリンソウ、イズノシマダイモンジソウを紹介しました。
台風22号、台風23号の災害のために地形が大きく変化しても、植物は負けじと命を繋いでいるようです。
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