ヘゴの森には様々なお客様が日本全国からいらっしゃいます。
ヘゴの森ツアーを運営していて悩むのは、私はお客様のニーズに適切に応えているかどうかです。
年齢層から希望を推定したり、装備を見たり、ツアーを始める前にインタビューをしたりして、こちらから、どのような解説をお客様に提供すればいいのか、瞬間瞬間で考えています。
ツアーが終わっても思い出して、
あれ、良かったのかなぁ・・・
と反省もします。
というのも、ツアーに参加されたお客様は一期一会なのですが、色々なヒントを下さいます。
さて、今日のお客様はレンタカーではなく、バスでの移動です。
最近は、バス移動のお客様もちらほら出てきました。
本来、八丈島はスコールが起きる土地です。バス移動ですと、大雨に直撃することもあります。
ところが、今年は梅雨らしくない梅雨の八丈島です。お客様の幸運にさらに楽しい思い出を足してあげたいです。
今日は、「2023年7月11日、東京都八丈島のヘゴの森のツアーの様子」と題してのお話です。
島巡り大好きなお客様
今日のお客様は、ご自身の島巡りの旅の一つとして、八丈島へいらっしゃいました。
いろいろ回っているんですよ
旅行は楽しいけれども疲れもでます。そんな中、どんどんと歩みを進め、八丈島を巡るお客様。
植物も大好きなんすよ
そんなアクティブなお客様に、一番初めに、アオノクマタケランを紹介しました。
本当にランみたいな花ですね
ヘゴの森コースの様子
今日のお客様はヘゴの森コースを選択されました。八丈島にはガクアジサイとラセイタタマアジサイの2種類のアジサイが生息しています。
ラセイタタマアジサイは、羅背板とよばれる織物のざらざらした触り心地からきています。そして、蕾が真ん丸の形をしています。
それで、羅背板・玉・紫陽花(ラセイタタマアジサイ)という名前です
時期はまだ早いですが、もう少し経ちますと、玉の蕾がくす玉が割れるように亀裂が入り、中の花が飛び出してきます。
お客様は近畿地方からいらっしゃいました。本土ですので、当然、八丈島の湿度は高く感じられます。
これでも、八丈島は天気がよく、ぜんぜん梅雨らしくないんですよ
そうなんですか
でも、私には湿度はとても高いですよ
それもそのはず、お客様の近くのコケも元気に起き上がっていました。
八丈島は、降水量も年間3,000 mmと多く、気温も植物が生長する上で最適です。そのような気候ですので、シダ植物の生育の勢いは強いです。
お客様が見ていらっしゃるのはリュウビンタイ。南方系のシダ植物で八丈島では大型になります。
この葉っぱのおばけはなんでしょうか?
これは、オオタニワタリといいます
葉を広げてスダジイの枯れ葉をキャッチし、その腐葉土を栄養として生きています
賢い生き方をしていますね
八丈島は自然が豊かです。そして、この気候を利用して園芸植物を栽培し、本土へ出荷してきた歴史があります。
ヘゴの森でもその名残が見られます。
モンステラもその一つです
ヘゴの森エリアに到着しました。
ここが東京都なんて、本当に不思議です
ヘゴの森は東京都の海外向けのPR動画にも出てくるんですよ
高い湿度の影響もあり、ヘゴの茎も湿っていました。
この硬い毛は気根といって根です
ここに水がたまりますので、ヘゴの茎にはさまざまな植物が付いています
この模様はなんですか?
視線を上の方へ移して下さい
私たちの頭上にはヘゴの葉柄が広がっていますね
あの葉が寿命を迎え、外れるとこの模様となります
ちなみに、ヘゴはシダ植物で木ではありません。ですので、横断面には年輪は見られません。
大きなゼンマイですね
これ、食べられるんですよ
信じられないですね(笑)
ヘゴはこのように中心から次々と新芽を出し、古い葉と交代します
今日のお客様は博識の方でした。私は八丈島で植物を覚えましたので、本土での類似種について教えていただきました。
曇りでしたが、雨が降らないだけでも、八丈島では幸運なんですね
そうですね
このあとは、もう一泊して、明日は三宅島へ行きます!
本当にアクティブなお客様でした。
今日は色々な植物を解説していただき、ありがとうございました
こちらこそ、勉強になりました
今日はヘゴの森へいらしていただき、ありがとうございました