八丈島は雨の多い島です。昔の航空写真を見ますと、島のいたるところに水田が見られました。
現在は、減反政策のため、水田は畑に変わりました。
それにともない、シギやチドリ、サギ、ドロで巣を作るツバメの羽数がだんだんと減少したそうです。
現在、八丈島ではツバメは繁殖しませんからね
数は減ってきたものの、八丈島ではまだサギの仲間が見られます。
今日は、「2023年初夏、東京都八丈島で出会ったサギの仲間」と題してのお話です。
コサギ
一般の方は白い色をしているサギはシラサギとよびますね。バードウォッチングを始める前は私もシラサギがいると思っていました。
でも、図鑑を見ますと、シラサギそのものはなく、大きさからコサギ、チュウサギ、ダイサギと分類されます。
双眼鏡で見ますと、物差しがありませんので、フィールドでは大きさが分かりません。ですので、見分けるときは形態的な特徴を指標とします。
コサギは、頭にアホ毛(冠羽)が付いているのが特徴です。そして、運良く歩いているシーンを見られましたら、足の裏を見て下さい。
コサギのみ、足の裏が黄色です
チュウサギ
チュウサギは、先ほどの大きさの話のように、コサギよりも大きいです。見分け方の指標は、アホ毛が無いこと、くちばしが短く、頭が丸っこいところです。
今年はチュウサギが一番多く感じられました
ダイサギ
ダイサギは、シラサギの中で一番大きい種です。ただ、大きさはチュウサギとほぼ同じくらいなので、フィールドでは、大きさだけでは見分け方が難しいかも知れません。
写真では分かりにくいですが、ダイサギの頭は平らです。前述のチュウサギの頭が丸っこいので、そこで区別します。
他の特徴として、
- くちばしが長い。
- チュウサギの口角は目の真下あたりに対し、ダイサギの口角は目の後ろまである。
- 脛が白っぽく見える。
があります。
アオサギ
アオサギは、英語ではgray heronです。灰色のサギです。
言われてみれば、灰色にも見えますね。こんな色のサギはあまりいませんので、すぐに見分けられる一種です。
八丈島では、たまに道路のど真ん中にいることがありますので、引きそうになるサギです。
アマサギ
頭の羽毛の色が亜麻色であることから「アマサギ」です。
英語ではcattle egretです。牛のサギです。
畑で鋤をつけた牛が耕すと、虫が出てきます。おそらく、牛の後ろについて歩いている姿が見られたので、cattle egretとよばれているのではないかと思います。
冬羽は、この特徴的な亜麻色が頭の頭頂部にほんのちょっとしかありませんので、小さな白いサギに見えます。夏羽は、とても美しい姿をしています。
今日は、2023年初夏、東京都八丈島で出会ったサギの仲間のお話でした。いい関係が築けて写真も撮らせていただきました。
紹介したサギ以外には、八丈島では、ゴイサギ、ササゴイ、稀に、アカガシラサギが見られることがあります。
今シーズンは忙しくて、彼らとの出会いは無かったですね。
秋の渡りか、来年会えればと思います
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