9年間かけてようやくタネコマドリの水浴びシーンの撮影ができました

動物

私が八丈島に来たのは2017年3月。間もなく10年目に入ります。

1年目に八丈島にタネコマドリが生息していることを知り、遠くからですが、幸運なことに営巣シーンの一部を観察できました。

2年目にトレイルカメラを手に入れ、オーナーの許可を得ているフィールドに仕掛けました。その中の水辺の一つで、トレイルカメラはタネコマドリが水浴びをしているシーンを写すことができました。

ただ、この場所は危険だったためトレイルカメラのみしか仕掛けられませんでした。そのため、タネコマドリの生態情報の収集の場の一つとして長く利用してきました。

残念ながら2025年の台風22号による土砂崩れでこの場所は埋まってしまい、使えなくなってしまいました。

八丈島に住んでいても、私にとっては、タネコマドリは撮影するのは難しい野鳥です。ですので、あまり写真も持っていません。

なぜ撮影が難しいのか、その理由が分からず時間だけが過ぎました。

水浴びシーンの撮影など夢のまた夢でしたね


今日は、「9年間かけてようやくタネコマドリの水浴びシーンの撮影ができました」と題してのお話です。


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2025年にタネコマドリにおける観察の転機が訪れました

八丈島の土地の90%は私有地、そして、国立公園です。そう、許可を得なければどこにも入れない土地なのです。

そんな中、転機が訪れました。2025年になり、本業で山中に入る機会が増えました。

仕事ですので、カメラを持って山に入ることはできません。

しかし、これが功を奏しました。双眼鏡と自身の目と耳でタネコマドリの形跡を広い範囲で記録することができました。

QGISとQFieldでデータを収集していきますと、カメラ視点の自分では気付かなかったタネコマドリの生態が浮き上がってきました。

この成果を基に自身の身近なフィールドで再確認しました。タネコマドリの止まり木に気づいたのはちょうどその頃です。

タネコマドリLuscinia akahige tanensis
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF100mm F2.8L Macro IS USM

タネコマドリのオスと仲良くなる

私が野鳥の写真を撮る時、被写体との関係づくりから始まります。仲良くなれば、簡単に撮影できるからです。

双眼鏡を持って散策していますと、タネコマドリのオスが現れました。通常、野鳥は人を見れば飛び去るのですが、じっとしていますと足元まで来ました。

このタネコマドリが見られる場所や声の場所を時間をかけてQFieldにプロットしていきますと、なわばりが浮き上がってきました。そして、その中には水浴び場もありました。

このタネコマドリのオスは、人に興味があるようで、私が行くとすぐ足元に来るようになりました。

仲良くなりすぎると何かの拍子に、トラウマ級の恐怖を与えてしまうかも知れません。心配でしたので、意識して距離を空けるようにしました。


タネコマドリの水浴びシーンは、無人で撮影することにしました

ここまできますと、このタネコマドリの水浴びシーンが撮れそうに思えました。

しかし、いくら仲が良いとは言え、超望遠レンズによる撮影は難しそうに思えました。そこで、無人撮影を計画しました。

これまでは自作の無人撮影機材を使っていたのですが、動作の再現性も考えて2025年に無人撮影機材を一新しました。

機材のテストも終わっていますので、細部に気をつければいけそうです。


機材運びは大変でした(笑)

タネコマドリが出現する場所は身近なところだったのですが、車では行けません。

機材は人力で運びます。何度も往復します。機材の設置・撤収はそれぞれ1時間くらいかかりました。

良い体力づくりになりましたね

皮肉なことに、機材をセットしている時、タネコマドリのオスが来て私の周りをぴょんぴょん飛んでいました(笑)。


テントの中でタネコマドリのオスをひたすら待ちます

テントの中は風を遮ってくれます。夏は地獄のような暑さでしたが、冬はその分寒さを軽減してくれます。

念の為、学生時代に買った-20˚Cまで耐えられる寝袋も用意しましたが、結局使いませんでした。

iPhone 15

これまで集めたデータから、野鳥が水浴び場に来やすい条件はだいたい分かっていました。当日はあまり良いコンディションではありませんでした。

それでも、「人事を尽くして天命を待つ」です。

ここから先はタネコマドリのオスの気分次第です。テントの天井を見ながら音を立てずにじっと待ちます。

iPhone 15

タネコマドリのオスが水浴び場に現れました

私が機材を設置していた時は、近くにいたタネコマドリのオスですが、そこからピタッと姿を見せなくなりました。

テントの外ではハシブトガラス、ヒヨドリ、シチトウメジロの声が聴こえます。稀にタネコマドリの声も聴こえます。

気長に待つか・・・

そして、待つこと2時間、センサーが振動しました。タネコマドリのオスが来ました。

イメージ通りのところで無人撮影でシャッターを数回切りました。

タネコマドリLuscinia akahige tanensis
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF100mm F2.8L Macro IS USM
タネコマドリLuscinia akahige tanensis
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF100mm F2.8L Macro IS USM

6時間の撮影中、タネコマドリのオスが水浴び場に現れたのはこの1回だけでした。

日が沈みますと森の中は危険です。明るい内に撤収作業をしました。

そうしますと、また、タネコマドリのオスが私の周りをぴょんぴょんと跳ねます。タネコマドリは水浴びよりも私の方に興味があるみたいでした。

少し複雑な気持ちでした(笑)


今日は、「9年間かけてようやくタネコマドリの水浴びシーンの撮影ができました」と題してのお話でした。

2025年からタネコマドリの観察の転機を迎えました。カメラを持たず、双眼鏡中心になりました。

収集できたデータが急激に増え、タネコマドリの生態情報が浮き上がってきました。

また、私に近づいてくるタネコマドリのオスとの出会いもありました。

そんな幸運が続き、タネコマドリの水浴びシーンの撮影ができました。

このタネコマドリのオスとは良い関係を築いています。今後も脅かさないように観察を続けたいですね。


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