八丈島は、都心から290 km離れた太平洋に浮かぶ孤島です。火山活動によって形成された火山島です。
火山島というと最近では小笠原諸島の西之島が有名ですね。
調査団が体に不要なものが着いていないかどうかを確認してから西之島に上陸したのを、みなさんも覚えていると思います。そうでないと、いるはずのない生き物が人為的に上陸させてしまうからです。
今日は、「八丈島には本当はいるはずのない野鳥について」と題してのお話です。
ご存知の通り、野鳥は翼がついています。これまでこのブログで何回かあつかってきましたが、渡り鳥は飛んで八丈島へきていましたね。
八丈島で、いるはずのない野鳥ってどの鳥ですか?
答えはキジです
でも、キジも翼がありますよ
確かに
でも、キジってどんな飛び方をしますか?
そういえば、あまり見たことないかも・・・
キジは主に地上で生活をしています。自身が危険な時だけ、空を飛びます。
しかし、その飛翔距離は他の野鳥に比べて圧倒的に短いです。このような鳥が、本土から八丈島までどうやってきたのでしょうか?伊豆七島を先祖代々少しずつ渡ってきたのでしょうか?
答えは人です。人が運びました。
東京都八丈支庁が、1966年8月に100羽放鳥したという記録が残っています。今八丈島で見られるキジは、彼らの子孫ということになります。
アイキャッチの写真のように、キジの雄は派手です。一方、メスは、茶色のまだら模様で、草むらに隠れるとどこにいるかわからなくなります。
この雌雄差を利用して、オスとメスのペアのとき、天敵が現れると、オスは見えやすいところでじっとしていて、視線を集めます。一方、メスはその間に草むらに移動します。
タネコマドリもそうですが、派手な容姿のオスはよくこのような行動をします。
梅雨に入ると三原山あるいは八丈富士は霧につつまれます。注意深く周りを見回すと、幻想的な世界にたたずむキジを見ることができます。
元々は放鳥された鳥かもしれません。でも、雫に濡れてもあらがって生きる姿を見ると、もう彼らは立派な野鳥の一員だと言わざるを得ません。
もう少し経つと、お母さんキジが子連れで歩き回ります。気づいても、見て見ぬ振りをして、草むらに逃がしてあげましょうね。
PR