私が大学生時代は岩手県盛岡市の高松の池をメインフィールドとし、1年のうち300日通っていました。
スズメを図鑑で調べていた初心者の私は、4年間で100種くらいの野鳥の声を聴き分けられるくらいになりました。
メインフィールドを持ちますと、毎日、野鳥と出会えますね。それをずっと繰り返していきますと、ちょっとした変化にも気がつけるようになります。
それが楽しくて、私は、未知の野鳥を求めて旅をするよりも、メインフィールドにいる野鳥とときどき入ってくる渡り鳥をより長い時間観察する方が好きになりました。
この姿勢は今でも変わりませんね
今日は、「2024年5月、東京都八丈島で出会った渡り鳥たち」と題してのお話です。
タカブシギ
シギやチドリは体の大きさや羽の模様が似ているものが多いです。
私は森に住む野鳥を見てバードウォッチャーとして成長してきましたので、彼らの識別は苦手でした。
ところが、八丈島では遠くでしか見られなかった野鳥が比較的近くで観察できます。
そうして、一つひとつシギやチドリの特徴を掴んでいきました。
図鑑は細かい特徴まで記載されているのですが、行動は実物を見ないと分かりませんね。
私の近くにイソシギのようにおしりを上下に動かすシギが近くであるいていました。
全身はまだら模様。
近くで様子を細かく観察できますので、もう間違えることはありません。
これはタカブシギです
キアシシギ
八丈島ではいろいろな野鳥が渡ってくることより、珍しい野鳥と出会えることもあります。
ときどき自分が記憶しているパターンとは異なる野鳥と出会いますと、
知らない野鳥か?
とすぐに思ってしまうのは私の悪い癖ですね。
写真を撮って、家の図鑑と見比べてみますと、一瞬メリケンキアシシギかと思いました。
現実には、八丈島でも珍しい野鳥と出会える機会はそれほどありません。
ずっと見ていますと、メリケンキアシシギの特徴はありませんでした。
換羽中のキアシシギのようです
ツメナガセキレイ
昨年、ツメナガセキレイを初めて見ました。タヒバリと一緒でしたので、見逃しそうでしたが、声で聞き分けることができました。
当時は冬羽でしたので、体の模様は地味でしたが、印象的なダミ声と爪の長さで分かりました。
八丈島ではキセキレイがいます。ただ、八丈島ではキセキレイは冬鳥です。
今の季節では稀にしか見られません。
また、キセキレイと私とは相性が悪く、近くで観察することはとても難しいです。
さて、黄色いセキレイっぽい野鳥が私の直ぐ側に来ました。でも、キセキレイが私の直ぐ側に来ることはないのです。
あれっ
こんなことあるのかな?
たしかに、私が見ている野鳥は腹側が黄色でキセキレイによく似ていました。でも、背中までも黄色なのです。
キセキレイの背中は青灰色です。そして、声がダミ声でした。
もしかして、これ、キセキレイじゃないかも・・・?
写真を撮って図鑑と見比べますと、ツメナガセキレイの亜種、マミジロツメナガセキレイでした。
マミジロタヒバリ(?)
八丈島ではタヒバリは冬鳥です。多くの場合、群れで過ごしています。
そして、春になりますと八丈島から去ります。
個体によっては夏羽に変化途中の個体も見ることができます。
さて、フィールドで観察していますと、タヒバリっぽい野鳥を見つけました。
今の時期でもタヒバリはまだ観察できるんだ・・・
腹側はややオレンジがかっていて、最初はタヒバリの夏羽かと思っていました。
ところが、立ち止まった姿勢がタヒバリより高く、移動が歩くというよりも駆けていました。
こんなに速く移動するならば飛んだ方がいいのに、ひたすら走りました。
そして、声はタヒバリと違ってダミ声でした。
う~ん、よく分からないなぁ・・・
違和感がありましたので、これも写真を撮って図鑑と比較しました。本当は、足の爪の長さを見なければいけないので同定は完璧ではありませんが、マミジロタヒバリに近いようでした。
今日は、「2024年5月、東京都八丈島で出会った渡り鳥たち」と題してのお話でした。
八丈島ではいろいろな野鳥が渡ってきます。そして、場所によっては比較的近くで野鳥を観察できます。
2024年5月に出会ったタカブシギ、キアシシギ、マミジロツメナガセキレイ、マミジロタヒバリ(?)を紹介しました。
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