春に花を咲かせた植物の果実は、夏でも成長中です

八丈島のフィールド

八丈島は本格的に夏になりました。山では八丈富士が、海では底土港の海水浴場が賑わっています。

高い山の景色や野草、普段見られない海の中の様子などのメジャーなお楽しみはとても大切です。でも、どんなに楽しくても、それが続いたら飽きますよね。


今日は、「春に花を咲かせた植物の果実は、夏でも成長中です」と題して、木陰でのマイナーな植物の楽しみ方のお話です


八丈富士の登山道をどんどん登って行きますと、植物の背丈はだんだん下がり、最後は人の身長よりも高さは下になります。直射日光が当たって眩しいですね。

それでは、もう少し控えて、標高を下げましょう。

景色の眺めは悪いし、頂上へ行った達成感がないんですけれども・・・

まあまあ、両者もとても素晴らしいゴールですよ

達成したら、別のゴールを設定して、楽しもうということです


標高を下げると、山はスダジイをはじめ、タブノキなど樹高の高い木の葉で頭上を覆われます。木漏れ日がきれいですね。

あれ?

何か楕円形のものがありますよ

よく気がつきましたね

ムベStauntonia hexaphyllaの実
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

これは、ムベの実です。ムベは春に花を咲かせます。

実の大きさは徐々に成長し、ここまできました。

ムベには以下の逸話が残されています。

天智天皇が狩りに出かけた時に老夫婦と出会いました。

長寿と健康の秘訣を尋ねたところ、「無病息災の霊果である、あの実を食べているからです」と答えられたそうです。

実際に食べてみると、とても美味しい。

天智天皇は、「ああ、むべなるかな(もっともなことだ)」とおっしゃりました。

この逸話から、この植物はムベと名付けられたそうです。

ムベはアケビの仲間ですので、とても美味しいです。春から4ヶ月も経っていますが、ムベの実は、まだまだ成長中です。


山道を歩いていると、足元に緑色の小型のトウモロコシのようなものが見つかりました。よく見ると左右に大きな数枚の葉っぱが出ています。


EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro

さらに拡大してみましょう。これ、何だと思いますか?

ハチジョウテンナンショウArisaema hatizyoense Nakai.の実
EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro

これは、ハチジョウテンナンショウの実です。ハチジョウテンナンショウは、以前、このブログでも紹介しました。

花の形はコブラの頭のような形をしていましたね。

この植物も春の初めに花をつけます。あれから5ヶ月経ちました。

実は順調に成長していました。このあと、この実の色は緑から赤に変わっていきます。

野生の植物の実は、私たちが知らない間に、長い時間をかけてゆっくりと成長します。野鳥しか見ていなかった私は、今年から植物を見ています。新しい発見ばかりです。


八丈島に来られたら、まず、山や海のメジャーな場所で遊んでください。でも、もし飽きてしまったらなば、お口直しにこんなマイナーなお楽しみもあります。

八丈島に滞在中、ぜひ色々な楽しい時間をお過ごしくださいね。

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