八丈島は本格的に夏になりました。山では八丈富士が、海では底土港の海水浴場が賑わっています。
高い山の景色や野草、普段見られない海の中の様子などのメジャーなお楽しみはとても大切です。でも、どんなに楽しくても、それが続いたら飽きますよね。
今日は、「春に花を咲かせた植物の果実は、夏でも成長中です」と題して、木陰でのマイナーな植物の楽しみ方のお話です
八丈富士の登山道をどんどん登って行きますと、植物の背丈はだんだん下がり、最後は人の身長よりも高さは下になります。直射日光が当たって眩しいですね。
それでは、もう少し控えて、標高を下げましょう。
景色の眺めは悪いし、頂上へ行った達成感がないんですけれども・・・
まあまあ、両者もとても素晴らしいゴールですよ
達成したら、別のゴールを設定して、楽しもうということです
標高を下げると、山はスダジイをはじめ、タブノキなど樹高の高い木の葉で頭上を覆われます。木漏れ日がきれいですね。
あれ?
何か楕円形のものがありますよ
よく気がつきましたね
これは、ムベの実です。ムベは春に花を咲かせます。
実の大きさは徐々に成長し、ここまできました。
ムベには以下の逸話が残されています。
天智天皇が狩りに出かけた時に老夫婦と出会いました。
長寿と健康の秘訣を尋ねたところ、「無病息災の霊果である、あの実を食べているからです」と答えられたそうです。
実際に食べてみると、とても美味しい。
天智天皇は、「ああ、むべなるかな(もっともなことだ)」とおっしゃりました。
この逸話から、この植物はムベと名付けられたそうです。
ムベはアケビの仲間ですので、とても美味しいです。春から4ヶ月も経っていますが、ムベの実は、まだまだ成長中です。
山道を歩いていると、足元に緑色の小型のトウモロコシのようなものが見つかりました。よく見ると左右に大きな数枚の葉っぱが出ています。
さらに拡大してみましょう。これ、何だと思いますか?
これは、ハチジョウテンナンショウの実です。ハチジョウテンナンショウは、以前、このブログでも紹介しました。
花の形はコブラの頭のような形をしていましたね。
この植物も春の初めに花をつけます。あれから5ヶ月経ちました。
実は順調に成長していました。このあと、この実の色は緑から赤に変わっていきます。
野生の植物の実は、私たちが知らない間に、長い時間をかけてゆっくりと成長します。野鳥しか見ていなかった私は、今年から植物を見ています。新しい発見ばかりです。
八丈島に来られたら、まず、山や海のメジャーな場所で遊んでください。でも、もし飽きてしまったらなば、お口直しにこんなマイナーなお楽しみもあります。
八丈島に滞在中、ぜひ色々な楽しい時間をお過ごしくださいね。
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