2025年3月28日は大荒れの八丈島でした。
それからわずか2日で、気温こそ下がりましたが風は穏やかになりました。
さて、最近の八丈富士は麓から中腹にかけて明るい緑色のまだら模様が見られます。
これはオオシマザクラが咲いている証です。八丈島の春の風物詩です。
オオシマザクラは、一般的に有名なソメイヨシノと違い、野性味が強いサクラです。花と新芽はほぼ同時に出ますので、遠くから見ますと薄緑色に見えます。
最近は仕事で山に行っていましたが、今日は仕事に関係なく山へ行くことにしました。

今日は、「2025年3月30日、曇り空の東京都八丈島の樹木を観察してきました」と題してのお話です。
樹冠が覆われた暗い森
八丈島は、八丈富士と三原山で構成されています。それぞれ1万年、10万年の歳月を経て完成しました。
八丈富士は年齢が若いため表層土は薄く、三原山はそれよりは厚いです。ただ、本土と比べますと、表層土はずっと薄いので雨が降ってもすぐに水たまりがなくなります。
八丈富士は若い山ですので森の完成度は低く、三原山はスダジイやタブノキを初め、様々な大きな樹木が見られます。
ですので、両者を比較しますと、三原山の方が樹冠が覆われて暗い森になります。

アオキの花
八丈島は春になりますと、樹木は花を咲かせたり、新芽が息吹いたりします。
園芸店では身近なアオキ。白い斑入りの葉が特徴的です。
八丈島のアオキの葉は斑が入っていません。緑色の葉で、赤色のやや大き目の実をつけます。
そして、たくさんの実と同じくらいの数の花をつけます。
この花、紫色の花弁でとても綺麗なのですが、その花の期間はとても短いです。

アカメガシワの新芽
今の時期アカメガシワは、遠くから見ますと、赤い花をつけているように見えます。ところが、これらはすべて新芽です。
アカメガシワは、その名の通り、新芽が赤いです。新芽といいますと黄緑色を想像されると思いますが、ちょっと変わった樹木ですね。

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
スダジイの新芽
八丈島の伝統工芸品の黄八丈は、黄色い糸、黒い糸、樺色の糸で織られています。それぞれの色は、コブナグサ、スダジイ、タブノキ由来です。
上記の植物の中ではスダジイが大木になります。八丈島の森の樹冠を覆うのはこの木の場合が多いですね。
大きなスダジイですが、新芽は他の樹木と同様に小さいです。弱々しい形からたくさんの葉をつけたものになるのですから、植物の生長はすごいですね。

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
シロダモの新芽
先ほどアカメガシワの花のように見える新芽を紹介しました。同様に、シロダモも花のような新芽をつけます。
今の時期のシロダモは、木の一番上に金色のふわふわがつきます。これも新芽です。
ウサギの耳のような柔らかい触り心地がします。山の植物を散策する方々の中では人気の新芽の一つです。

EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM
今日は、「2025年3月30日、曇り空の東京都八丈島の樹木を観察してきました」と題してのお話でした。
気温は少し寒くなりましたが、八丈島の風は穏やかになりました。
遠くから見えるオオシマザクラ、樹冠が覆われた暗い森、花の時期が短いアオキ、スダジイの新芽、花のように見えるアカメガシワとシロダモの新芽を紹介しました。
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