湿度の高い八丈島の暗い森の中で野鳥を観察しています

八丈島のフィールド

2025年の八丈島の平均湿度90% R. H. を越えたのは5月17日からです。霧や雨の日が続いています。

発表はまだされていませんが、梅雨に入ったのではないでしょうか?

4月の八丈島では木々から新芽が出ていました。山の色が鮮やかになったのはちょうどこの頃ですね。

5月の中旬からは霧や雨の日が多くなりました。新芽は成長し、光合成に必要な大きさになり、樹冠を覆い尽くすようになりました。

さて、私は八丈島に来てから写真を撮り続けてきました。しかし、無意識に写真を撮りやすい光の多い場所を選んできたようです。

そのため8年間も八丈島に住んでいるのに、暗い森で何が起きているのか全く知りませんでした。

これって、自分の偏った行動が原因?


今日は、「湿度の高い八丈島の暗い森の中で野鳥を観察しています」と題してのお話です。


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八丈島の暗い森が身近になりました

八丈島は土地の90%私有地で大部分が国立公園です。実は土地のオーナーの承諾がないと山に入ることは出来ません。

ところが、今年から本業とオーナーの許可をいただき、自由に複数の森に入ることが出来るようになりました。

冒頭にも書きましたが、今年の八丈島は5月中旬から霧や雨の日が多いです。気象庁で八丈島の5月のデータを見ますと、5月17日から平均湿度90% R. H. を越え続けています。

4月の新芽は生長し、5月中旬から森の中が暗くなりました。

最近は自分の意志とは関係なく仕事で山に入っています。写真と無関係に行動をしますと、今まで見てこなかった暗い森が急に身近になりました。

EOS 6D Mark II+EF24-105mm F4L IS USM

多様性に富んだ八丈島の暗い森

安全のため山では多くは道沿いを歩いています。仕事の内容によっては、下調べした地形を基に道のないところも入ります。

周囲や頭上を見回しますと、八丈島の山は様々な木々で構成されていることが分かります。代表的なスダジイやタブノキだけでなく、ヤブツバキ、ヒサカキ、カラスザンショウ、テイカカズラ、ホルトノキ、ハチジョウキブシも認められ、木の太さも様々です。

樹木の生育の時間軸が多様です。ところが、樹冠が葉で覆われる最終形態は一つに収束する不思議な世界となっています。

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暗い森の中で出会った野鳥たち

私は暗い森の知識はほとんどありません。知らないことに出会って驚かされることばかりです。

私が入っている山では、モスケミソサザイ、タネコマドリ、イイジマムシクイ、オーストンヤマガラ、アカコッコ、トラツグミ、キジバト、カラスバト、ホトトギスの声が聴こえます。

基本は、双眼鏡を持ち、野鳥の声を聴いて判別し、場所を携帯のQFieldに記録するだけです。

派手なことはせず地道に記録します。偶然野鳥が近くに来ましたら、念の為、記録として撮影します。


タネコマドリ

私が観察している森では、タネコマドリは営巣中~巣立ちまでのペアが確認されています。タネコマドリのオスとメスは、それぞれの状況によってなわばりを宣言したり、巣材を運んだり、餌を運んだり、巣立ち雛の面倒を見たりしています。

見ている私は1人ですので、断片的な情報しか得ていません。

でも、すべてが新しいことですので、とても新鮮な時間を過ごしています

タネコマドリLuscinia akahige tanensis
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

オーストンヤマガラ

私が観察している山では、オーストンヤマガラはモスケミソサザイの次に巣立ちを終えました。現在は巣立ち雛が森の中で飛びまくっています。

巣立ち雛はまだ人の怖さを知りません。私の近くに来て、じっくりと観察することもあります。

親鳥は、巣立ち雛が森から出るまでに、人の怖さを教えなければいけません。声の強弱で人の危険性を伝えています。

私も近すぎると彼らの学習を妨げてしまいますので、何度か後退りしました。

オーストンヤマガラParus varius owstoni
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

イイジマムシクイ

イイジマムシクイは、文字通りチョウ目昆虫の幼虫を食べます。求愛給餌のときはオスはメスに口移しで与えます。

チョウ目の若齢幼虫は柔らかい葉を食べます。ですので、多くの場合、イイジマムシクイは樹上で見られることが多いです。

これは、私が明るい森の中での観察。暗い森では、場合によっては、このルールから外れることがあることを知りました。

しかし、どのような事象の結果からルール外しが起きるのか今は不明です。慌てず、そっと観察し、原因を調べたいと思います。

イイジマムシクイPhylloscopus ijimae
EOS 7D Mark II+EF400mm F5.6L USM

今日は、「湿度の高い八丈島の暗い森の中で野鳥を観察しています」と題してのお話でした。

2025年5月中旬から八丈島は梅雨のような状態に入りました。

4月に新芽が出て、5月は生長し、木々の樹冠を覆い、森は暗くなりました。機会に恵まれ、強制的に暗い森の中で観察するようになりました。

暗い森の様子、タネコマドリ、オーストンヤマガラの幼鳥、イイジマムシクイの様子を紹介しました。

新しい発見の連続でとても新鮮な時間を過ごしています


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