昨日は、見学のお客様への研修の1つとして、ヘゴの森にて、フィールドでの研究テーマの見つけ方や発想法について解説しました。
引き続き研修の実験です。
今日は、「東京都八丈島の科学クラブの研修実験の様子」と題してのお話です。
ウミホタルの発光の観察模擬実験
私は、普段の科学クラブでは、子供たちと一緒に、結果の分からないことのみ研究を行います
本、雑誌、TV、インターネットで既に既知のものは実験はしないことにしています
ただ、今回は、ウミホタルの発光の観察実験のリクエストが有りましたので、行いました。使用したものは、こちらの「うみほたる発光かんさつキット」を使いました。
有志の高校生の方々が実験者のモデルとして参加していただきました
私が、1人でしゃべりながら実験をしても良かったのですが、今回は素晴らしい若者たちが、時間を割いていただいて実験者のモデルとして参加していただきました。
ウミホタルの説明
実験は、とても簡単なものですので、開始前にウミホタルに関しての説明を行いました。ウミホタルというのは、知らない人には少々わかりにくいのですが、節足動物門の海洋生物です。
形はミジンコを左右の薄い貝殻のようなもので覆われた変わった形の生き物です。
捕まえる方法は、蓋に大きな穴を開けたインスタントコーヒー瓶の中に肉片を入れ、紐をつけて海に沈めます。しばらくして引き上げると中にウミホタルが入っているという具合です。
こんなかわいい形の生き物ですが、肉食だったりします
ウミホタルとよばれる理由
名前から想像できますように、この生き物は発光生物です。具体的には、2種類の管から、基質であるルシフェリンと酵素のルシフェラーゼをそれぞれ放出し、海中で反応し、発光し、ルシフェリンはオキシルシフェリンへ構造変化します(ルシフェリン―ルシフェラーゼ反応とよばれています)。
BRENDA Information on EC 1.13.12.6 – Cypridina-luciferin 2-monooxygenase
使用した実験器具
- ハサミ
- 200 μlのピペット
- 200 μlピペット用のチップ
- 1.5 mlのプラスチックチューブ
- チューブたて
- 水
実験操作
- プラスチックチューブの蓋のつなぎ目をハサミで切る
- 乾燥ウミホタルを適量、プラスチックチューブの蓋の凹みに入れる
- 水を50 μl入れる
- 発光を観察する
このあと、この観察実験以外にも、エタノールを入れて、基質と酵素を分離して混ぜたりと色々な実験をしました。
参加されたモデルの高校生の方々、研修のお客様は、初めて使うマイクロピペットやプラスチックチューブに興味があるだけでなく、乾燥ウミホタルに水を加えるだけでも、長時間発光反応が続くことに驚かれていました。
モデルの高校生の方々や研修のお客様の色々な新鮮な反応に、私もとても勉強になりました。今日はどうもありがとうございました。