被写体別写真機材の選び方について ー植物・昆虫編ー

写真機材

前回の「被写体別写真機材の選び方について ー日常編ー」では、スマホで撮影出来る(肉眼で見られる)被写体をより良く撮影するために、万能レンズの焦点距離24-105 mmズームレンズを紹介しました。

機材を揃えるのはお金の面で大変です。私は、信頼出来る中古を扱うカメラ店でお手ごろのものを通販で購入しています。


さて、私が住んでいる八丈島は、自然の豊かな島です。右を見ても左を見ても樹木や野草が、旬の季節ではキノコも見られます。

しかし、フィールドで見られるものは、大きさのサイズが小さいものも多いです。

このような小さなものを撮影するために、各カメラメーカーはマクロレンズという接写専用のレンズを用意しています。また、便利な周辺機器もあります。


今日は、「被写体別写真機材の選び方について ー植物・昆虫編ー」と題してのお話です。


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マクロレンズ

マクロレンズは、接写専用のレンズで小さなものを大きく写すことが出来ます。0.5〜等倍までの拡大が可能なレンズが多いです。

最近のマクロレンズは光学性能も良く、接写から無限遠の距離まで撮影出来ます。

昔に比べて使い勝手がとても良くなりましたね

日本のカメラメーカーであるSonyとNikonは焦点距離50-100 mmのマクロレンズを用意しています。

一方、Canonは、少し変わっていて、焦点距離50 mmの代わりに24 mmと35 mmのマクロレンズを用意しています。

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レンズメーカーのSIGMAとTamuronもそれぞれ有名なマクロレンズを出しています。カミソリマクロと呼ばれるSIGMAの焦点距離の70 mmマクロレンズ、タムキューと呼ばれるTamuronの90 mmマクロレンズは特に有名です。

マクロレンズを使った撮影では、ピントはAFよりもマニュアルで合わすことが多いです。ですので、ピントリングが使いやすいレンズを選ぶことをおすすめします。

被写体から背景までシャープに写したい場合は焦点距離50 mmのマクロレンズ、背景をぼかしたい場合は焦点距離100 mmのマクロレンズを選ぶと良いでしょう。

焦点距離50 mmと100 mmのマクロレンズの両方の性質を使いたい場合は、SIGMAの焦点距離の70 mmマクロレンズを選ぶと良いでしょう。


良い意味でのマクロレンズの変態レンズメーカー

LAOWAというレンズメーカーをご存知でしょうか?名前から連想出来るともいますが、中国のメーカーです。

中国のメーカーと言うと胡散臭そうな感じもしますが、このメーカーが製造するマクロレンズが、狂っていると言うか振り切っていると言うか・・・。

一般的なカメラメーカーやレンズメーカーは、企業ですので売れるものを作ります。LAOWAは創業者がマクロレンズにとても興味を持っているため、どこまでも追求してしまいました。

通常のマクロレンズは等倍まで拡大できますが、拡大が5倍のレンズのものを販売しています。また、レンズの先端がにゅ~っと前に伸びたプローブレンズ(虫の目レンズ)というのも販売しています。

LAOWA 25mm F2.8 2.5-5X ULTRA MACRO | 製品情報 | LAOWA
LAOWA 24mm F14 2X MACRO PROBE | 製品情報 | LAOWA

保護フィルターとフード

野外で撮影していますと、意外と色々なものが飛んでいることが分かります。風が吹けば、花粉や枯れ葉、八丈島ですとシダ植物も多いので胞子も飛んできます。

レンズが剥き出しですとあっという間に汚れてしまいます。レンズの前側には高価なレンズを使っている場合が多く、これらを出来れば汚したくありません。

レンズの汚れは、逆光の時はハレーションやゴーストの原因になります。

そんなわけで、野外で撮影する人は、レンズの一番前に保護フィルターをつけるのをおすすめします。保護フィルターのサイズはレンズの一番前の直径に依存していますので、レンズごとに違います。

サイズが揃っていると簡単なんですけれどもね

また、レンズの先につけるフードも使った方が良いです。逆光の時の余計な光を遮ることで、撮った写真がシャープになります。

なお、フードは、多くの場合はレンズに付属していますが、別売りの場合もあります。

iPhone 15
レンズの前に保護フィルターをつけて使っています。
iPhone 15
フードはこのような長いものもあります。

三脚

「被写体別写真機材の選び方について ー日常編ー」では、手持ちを想定していました。ですので、三脚は不要です。

ところが、マクロレンズを使った撮影ではスローシャッターを使うことも多いため、三脚がよく登場します。

雲台(三脚の頭の部分)は向きを変える部分がボールで出来ている自由雲台、脚はローアングルが出来る三脚を1脚持っていますと、色々な場面で重宝します。

なお、忘れがちの注意点として、カメラを三脚にのせた場合は必ず手ぶれ補正をオフにすることです。そうでないと、手ブレ補正機構の誤作動でブレた写真を量産することになります。


マクロフォーカシングレール

マクロ撮影ではピントが少しでもズレるとボケボケの写真になってしまいます。ピントの精度を高めるために、マクロフォーカシングレールというものがあります。

使い方は簡単で、雲台の上にマクロフォーカシングレールを直接設置し、さらにその上にカメラを載せて固定します。ピント合わせはウォームギアを使っていますので、緻密なピント合わせが可能です。

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レリーズ

野外でマクロレンズを使った撮影はとても楽しいものです。そして、ピントを合わすためにファインダーや背面モニターを覗いていますと、被写体は意外と風によって揺らされていることが分かります。

単にスローシャッターを切るならば2秒のセルフタイマーを使えばいいです。

ところが、たった2秒先の未来であっても風の予測は出来ません。ですので、ファインダーあるいは背面モニターでピントを確認しながら、レリーズでスローシャッターを切った方が成功率が高いです。

レリーズの端子の形状はメーカーは同じでもカメラごとに違うことが多いです。カメラの型番を調べてからレリーズを購入することをおすすめします。

レリーズの例。

フラッシュ

野外での撮影時、スローシャッターを使ってもどうしても暗い時があります。そのときにフラッシュを使います。

フラッシュと言いますと、カメラの上にあるホットシューにつける一般的なものをイメージすると思いますが、マクロ撮影ではレンズの先端につけるリングフラッシュやツインフラッシュが主です。

最近では、電力をあまり使わないLEDランプが主流になりつつあり、リングフラッシュやツインフラッシュの代わりになることもあります。

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このようなフラッシュは本当にマクロ撮影専用になってしまいます。高価ですので、よほど気合の入った人でないと購入は躊躇するかも知れませんね。

その場合は、普通のフラッシュにディフューザーを被せて撮影する方法もあります。

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今日は、「被写体別写真機材の選び方について ー植物・昆虫編ー」と題してのお話でした。

マクロレンズ、フィルターとフード、三脚、フォーカシングレール、レリーズ、そして、フラッシュと、植物や昆虫を撮影するために必要なたくさんの機材を紹介しました。

上述の全てを揃えるのはとても大変ですし、お金もかかります。もちろん、私も全ては持っていません。

おすすめは少しずつ買い足すことです。自身の用途を達成したら、それ以上は購入しないこと。

なるべくお金はかけずに写真を撮影するのがベストです。

参考になれば幸いです


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