私は、研究者だったためか、ありとあらゆるものが等価に見えます。
野鳥ですと、空飛ぶ宝石と呼ばれるカワセミや白いオオハクチョウなどが人気ですが、私にとっては一般に見られるスズメやヒヨドリと同じにしか見えません。
ですので、人気な野鳥が見られてもハイテンションになりません。
バードウォッチングを独学で学び、いつも単独行動で他人からの影響を一切受けないのも、それに拍車がかかっているかも知れませんね。
そんな私でも、比較的引き寄せられる野鳥がいます。

モズです
理由は単純で、私のフィールドでは1年中観察できる野鳥だからです(笑)。
また、モズの生態はとても面白いです。気性が荒く猛禽のような肉食、アイドルなみに求愛ダンスを歌って踊ったり、餌のプレゼントをしたり、トゲに獲物を刺したり・・・。
たった体長20 cmの小鳥ですが、観察していますと、色々とおかしな野鳥です。
今日は、「2025年秋、東京都八丈島でモズの謎の行動を追ってみたら・・・」と題してのお話です。
秋はモズの高鳴きの季節
私は雪国で生活した期間が長いです。雪国は春夏秋冬がハッキリしており、四季に応じて野鳥の生活が変わります。
秋のモズは高いところに止まって

ギチギチギチ
と鳴きます。これを高鳴きと言います。
そして、高鳴きをしているエリアに他の野鳥が入りますと、追いかけてその範囲から追い出します。

春の繁殖期に向けてのなわばり争いです
この高鳴きは八丈島でも行われます。ヤシのてっぺんで高鳴きしますので、南国らしいですよね。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
モズのオスの謎の行動に気が付きました
モズは通常木に止まります。そして、すーっと滑空して獲物を捕らえます。

獲物は昆虫が多いですね
昆虫がいる場所は草むらが多いです。ですので、モズが降りる場所は草むらと決まっています。
ところが、モズのオスが草むらでないところに降りました。
草はあると言えばあるのですが、それでも草の量が少なすぎと思いました。
春にモズを観察した時は地面を掘り起こしてコウチュウの幼虫を見つけていました。

私が知らないだけで、昆虫がいるのだろうか・・・?

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
くちばしに毛のような物が付いていました
次にモズのオスを見た時、煩わしい仕草をひたすらしていました。くちばしに何か付いていて地面や草に擦り付けて外そうとしていました。
双眼鏡で観察しますと、くちばしに毛のようなものが付いていました。
また、高鳴きから地面に降り、段々と私に近づいてきていていることに気が付きました。通常はこのような動きはしません。

何か変だなぁ・・・

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
さらに観察してモズの歩く先を見ますと・・・
モズのオスは、トコトコと少しづつ歩いていきました。そうしますと、その先には毛のような塊がありました。
肉眼ではよく分からなかったので双眼鏡で観察しますと、毛のような塊を食べていました。大きさはモズと同じくらい、形は鳥でした。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
モズの体は、通常の小鳥と違い、太く鋭いくちばし、強靭な筋肉、足、爪で構成されており、まるで猛禽です。
私は過去にモズがスズメやネズミ(グロ写真なのでブログではなく写真集に掲載しました。)を食べているのを観察したことがあります。
果たしてモズは何を食べていたのでしょうか?モズが飛び去ってから、食べていた物を確認しました。

その正体はモズでした

共食いをしていたのです

EOS 6D Mark II+EF50mm F2.5 Compact Macro
モズのなわばり争いに驚かされました
私が観察していたモズのフィールドには、複数のモズがいたことは知っていました。多くの場合はドッグファイトをしてなわばりから追い出します。
お互い太く鋭いくちばしと強靭な筋肉、足、爪を持っています。殺し合いになってしまうので、取っ組み合いになることはほとんどないのです。
このフィールド、私は数時間前に観察した時はこのモズの死骸はありませんでした。ですので、目を離した時間の間に仕留め、食べ始めたことになります。
実は、もっとグロ写真も撮影したのですが、さすがにブログに掲載するのは問題ありそうです。いつか写真集を出版する時に入れたいと思います。
モズが近くに止まりました。

別にこのくらい問題ないでしょ?
という顔で私を見ていました。野生の世界の厳しさの一面を知りました。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
今日は、「2025年秋、東京都八丈島でモズの謎の行動を追ってみたら・・・」と題してのお話でした。
通常の秋のモズの高鳴きから観察が始まりました。ところが、昆虫がいない草むらの少ない地面に降りたところから変と思いました。
くちばしに毛のような物が付き、その煩わしさで地面に擦り付ける行動を観察しました。
そのある先にはモズと同じくらいの大きさの鳥がありました。モズはそれを食べていました。
モズがスズメを狩って食べることは知っていました。しかし、モズが食べていたのは驚くことにモズ。
共食いをしていました。

なわばり争いで死闘になることは稀です

貴重な瞬間を見ました
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