八丈島は南の島です。冬ですが、本土に比べてとても暖かいです。2021年1月27日の気温は18℃までになりました。
実質、春です。そうしますと、繁殖期に入る生き物もでてきます。
今日は、「東京都八丈島の中心を流れる鴨川上流で繰り広げられるカエル駆除について」と題してのお話です。
八丈島にはカエルが住んでいます
太平洋に浮かぶ離島の八丈島で、カエルは住んでいるでしょうか?
はい、水面から顔を出しているのを見たことがあります。
そうですね
八丈島にはカエルが住んでいます
でも、八丈島は離島ですよね
どうやってカエルが来たのでしょうか?
両生類といっても、海水は泳いで渡れないですし・・・
鋭い疑問ですね
八丈島にはアズマヒキガエルという大型のカエルが住んでいます。人為的に連れてこられた侵入生物と考えられています。
国立研究開発法人国立環境研究所侵入生物データベース アズマヒキガエル
鴨川上流の堰周辺がきれいになっていた理由
鴨川上流の堰はこの場所にあります。
八丈島では、定期的に草刈りがされています。今年もとてもきれいになっていました。
ハチジョウススキ、ガクアジサイなど徹底的に無くなっていました。これには意味がありました。
同じ場所の数日後の写真です。
写真の中心にゴムボートがありますね。そして、たくさんのロープが川を横切っています。
私は
何かの調査かなぁ・・・
とぼんやりと考えていました。正直、はじめはこれが何かわかりませんでした。
でも、よ〜く見ますと、赤枠のところに網が仕掛けてありました。
これは、アズマヒキガエルに対する捕獲のために仕掛けられたものでした。
八丈島の冬は、アズマヒキガエルの繁殖期
いつもは静かなこの場所も、妙にカエルの声が聴こえます。よ〜く見ますと対岸の土の塊が動いているみたいに見えました。
超望遠レンズを構えてみました。
網にはびっしりとアズマヒキガエルがかかっていました。つがいになっている個体も見られました。
八丈町住民課環境係では冬になりますと、アズマヒキガエルを駆除しているそうです。
https://www.town.hachijo.tokyo.jp/kakuka/jyumin/azuma.pdf
駆除する前は、水面いっぱいにカエルだらけになっていたそうです。侵入生物は、その土地に定着が成功すると、生態系のバランスがとれるまでは、短期間で個体数が増加する傾向があります。
ヤンバルトサカヤスデもそうですね
また、アズマヒキガエルは、ブフォタリンという心臓毒性があるステロイドを耳腺から分泌します。他の生物から捕食されにくいのかも知れません。
人間の活動が活発になりますと、意図せず、土着ではない生物を広げてしまうことがあります。生物を扱う際は気をつけなければいけませんね。