私は今どこにいる?八丈島の看板のお話

生活

八丈島へいらっしゃるお客様からよく聞くことは、「自身がどこにいるか分からない」です

またまた~

今の時代、地図はスマホで見られるんですよ

確かにそうですが、スマホをず~っと見ているわけではありませんよね

意外と迷子になるのです

そんなとき使うのが、アナログですが、看板です。アイキャッチの写真のような道路の上の方にある巨大なパネルですね。


今日は、「私は今どこにいる?八丈島の看板のお話」と題してのお話です


本土では、看板はいつも頭上にあります

ですので、情報を得るために旅行者の視線は自然と上へいきます

言われてみればそうですね


習慣は毎日の行動の繰り返しでつくられます。ですので、本土からのお客様の場合、情報=頭上の看板が習慣化されています。

しかし、八丈島では、このような看板は全体からすると少数派です。ですので、お客様は「すぐに私はどこ」状態になってしまいます。

また、「看板がどこにあるか分からない」というのもよく聞きます。なぜ、そうなってしまうのかから、お話ししましょう。


当たり前ですが、八丈島にも本土のような頭上の看板、電光掲示板などの大きな看板があります。

では、この看板、ずっとあるのかというとそれは難しいと思います

ご存知のように八丈島は太平洋に浮かんだ島です。海に囲まれています。

パンフレットではきれいな青空、海の写真が掲載されていますが、この島では、多湿、潮風、豪雨、強風の気象条件がけっこうあります。

この条件に長期にわたって耐えられる金属製の建造物はあるでしょうか?

難しいと思います

そうですね

そして、台風が来た時は、金属製の看板は、風に飛ばされて凶器になります

こわいですね


それを防ぐため、島民は様々な工夫をしてきました。腐食しにくい木製の看板を作ったり、石製の看板を作ったりしました。

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特に石製はとても頑丈で、安全にずっと表示できます。


しかし、問題点があります。表示面積が小さいだけでなく、設置場所が足元なのです。

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八丈島の現在位置を表示する看板も石製ですが、これも足元です。

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見落としやすいですね

もしかして、八丈島では看板を見るために、視線を下に持って来ればいいのですか?

はい、そのとおりです

もうこれで、八丈島で迷子にはならないですね


八丈島の看板に関する裏話

この看板を見てください

EOS 6D+EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM

何か違和感が・・・

「再」徐行と書いてあります。本当はマジックで書いた「最」徐行が正しいです。

しかし、ここで「再」と書いたことで、一瞬「考える間」が生まれます。この看板は乙千ヶ浜近くのカーブにあります。

道幅はせまく、見通しがとても悪いカーブです。そして、海に近いところ。

心の中は、海のことを考えていて、うきうきで、知らず知らずのうちに、ブレーキペダルから足が離れてしまう状況です。

もしカーブの向こう側に対向車がいたらどうでしょうか?おそらく避けられません。

この看板のすごいところは、設置場所が絶妙であると同時に、誤字であることで「考える間」を運転者に的確に与えていることです。

不思議な「考える間」によって、運転者の足は自然と再びブレーキペダルの上に行きますね。そう考えると、この看板一つでどれだけ多くの事故をこれまで防いできたのだろうかと感心させられます。

現在は、この看板は朽ちて下に落ちています。でも、次にかけるときも「再」徐行と書かれてあれば、島民だけでなく旅行者に対しても効果的な注意喚起できるのではないかと思っています。

世の中、正しいだけが全てではありません。「間違い」が正しさを上回ることもあります。私にとって、この看板の存在はとても勉強になっています。

もしお時間がありましたら、実物を見てみてください。看板のマジックにかかって、考えさせられますよ。

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