2025年春、モズのペアリング、なわばりのパトロール、獲物の捕獲、餌運びの様子を撮影していました

動物

私のバードウォッチング歴はまもなく40年になります。その過程で様々な野鳥やその行動を観察してきました。

いつも新鮮な驚きの連続でけっして飽きることはありませんね

2025年春、私にとっては信じられないほどの経験をしていました。


今日は、「2025年春、モズのペアリング、なわばりのパトロール、獲物の捕獲、餌運びの様子を撮影していました」と題してのお話です。


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人とモズとの通常の距離

モズは、通常高いところに止まり、地面のミミズや昆虫などを餌として獲ります。モズのこの行動は、他のスズメ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトガラスなどのものとは異なり、静かながら鋭い瞬間を併せ持つ唯一無二です。

モズは、「枯木鳴鵙図」として剣豪宮本武蔵が水墨画を描いた野鳥としても有名ですね。

私も、モズの行動にはたくさんの興味がありました。

ただ、このモズ、人が近づきますとスーっと滑空して去ってしまいます。直ぐ側で観察するのは難しい野鳥です。

ですので、私の場合でも、写真を撮っても小さく写るのが通常です

モズLanius bucephalus
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

対人距離が異常に短いモズのペアとの出会い

今年の春、私は信じられない行動をするモズのペアと出会いました。

初めに気づいたのはモズのメス。

あれっ!?

野鳥がいる

双眼鏡で観察しますと、モズのメスでした。ところが視線を下に移動しますと、なんとオスもいました。

さらに観察を続けますと、私との対人距離が短いのはメスでした。オスはメスにアプローチをかけているために引きずられて、直ぐ側にいただけでした。

モズLanius bucephalusのメス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

お転婆なモズのメス

通常、野鳥は人に対して一定の距離を保ちます。近づきましたら、すぐに飛び去ります。

当たり前ですね

ところが、このメス、私の直ぐ側に止まりました。毎回、「どうだ~!」と言わんばかりのポーズを決めてきました。

逆に私の方が緊張しましたね

モズLanius bucephalusのメス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

一方、オスの方はメスと違って大人しく、「あ~、またやってる・・・」と私から少し距離をとったところからメスの様子を見ていることが多かったです。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

モズのペアは求愛給餌の時期に入りました

繁殖期が進みますと、モズは求愛給餌をします。

このペアでは、私はメスがオスを呼ぶところから観察しました。

通常、メスは雛のように翼を羽ばたかせて可愛い声で鳴きます。このペアは私の距離はとても近いので、直ぐ側でその行動を観察させてもらいました。

声は可愛いのですが、近くでメスを観察しますと、とても怖い顔をしています。

モズLanius bucephalusのメス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

その声を聴くと同時にオスはメスへのプレゼントを探すために地上に降ります。オスはメスに向かって、「ちょっと待ってて」と言っているみたいに鳴きました。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

ところが、八丈島でも春の初めは昆虫が捕れません。モズのオスは、一生懸命地面を歩き、食べられそうな昆虫を探します。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

ようやく顔を上げたと思ったら、モズのオスのくちばしには何も無いということがよくありました。

モズのメスの怒った声が鳴り響きました(笑)。残念ながらこのペアは私の前では求愛給餌はしませんでした。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

なわばりを守る

モズは、野鳥の中でも気障の激しい種でなわばりを守る意識がとても強いです。

なわばり内に、スズメ、ハクセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、アカコッコ、ツグミ、キジバトなどが入りますと、オスは激しく鳴き、鋭いくちばしと足の爪で容赦なく襲いかかります。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

この行動は、天気は関係ありません。八丈島は大雨になることはよくありますが、モズはずぶ濡れになってもなわばりを守り続けます。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

モズのオスは獲物を襲い、抱卵中のメスのために餌を運ぶ

求愛給餌の声が収まりますと、モズのなわばりからメスがピタッと見られなくなりました。抱卵が始まったようです。

この時期になりますと、何度も繰り返してきましたので、モズのオスは獲物を捕える腕が上がっていました。

いつものとまり木に止まり、獲物を見つけますとスーっと滑空して地上に降ります。

モズLanius bucephalusのオス
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM

モズのオスの行動を観察し続けますと、降りる場所がピンポイントで分かってきます。

だだ、私が驚かされたのは、モズのオスは毎回クワガタの大きな幼虫を捕らえるのです。どこで知ったのかは分かりませんが、モズが降りたポイントには幼虫が必ずいました。

とても不思議な行動でした

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

モズのオスは獲物を咥えますと、地面を蹴り上げるために、一度かがむ姿勢をとります。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

多くの場合、一度、ヤブに入ります。そして、巣で待つメスが食べやすいように幼虫の向きを変えていました。

モズLanius bucephalusのオス
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII

だいたい決まったところを飛んでいましたので、モズのオスが餌を運ぶところを撮影させてもらいました。

2025年5月になりますと、モズの雛は巣立ちを始めました。

今年は、ここまでの観察が限界でした

機会がありましたら、続きも観察したいですね

モズLanius bucephalusのオス
EOS R3+Mount Adaptor EF-EOS R+EF400mm F5.6L USM

今日は、「2025年春、モズのペアリング、なわばりのパトロール、獲物の捕獲、餌運びの様子を撮影していました」と題してのお話でした。

すべては私との対人距離が異常に短いモズのペアとの出会いから始まりました。長期にわたって、ペアの行動を観察させてもらいました。

私自身、バードウォッチング歴40年でも初めてのシーンがたくさん見られました。とても貴重な体験をさせてもらいました。

2025年は餌運びまで

もし次の機会がありましたら、続きも観察したいですね


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