野生動物を観察していて、割り切れない思いにかられるとき

動物

今日の東京都の新規陽性患者数は201人でした。自粛の効果が現れにくいのは、どこかで集まっていたりして無意識に広げているのかもしれません。


今日は、フィールドで野生動物を観察していてときどき出くわす場面と、それに対して、自身の割り切れない思いについてお話しします。

楽しくないお話ですが、野外ではこういうこともあるのだと思って読んでください。

二枚のチュウサギの写真を見てください。

もう、あなたは気づかれましたね。左の個体は正常、右の個体は左の羽がおかしくなっています。おそらく、骨折でしょう。

八丈島ではチュウサギは繁殖していません。彼らは風に乗って、島外から来ているのです。つまり、渡り鳥です。

私は、鳥類の行動の専門家ではありませんが、八丈島では強風の次の日はいなかったサギ類が突然出現します。渡る時、おそらく彼らは強風を利用するようです。

しかし、渡りに必要な風も、サギの体にとっては凶器と化す場合もあります。野鳥の体は、飛ぶために軽くできています。骨は空洞です。地上の脊椎動物とは異なり、最低限の強度しかありません。何か不規則なことがあったら、すぐ骨折です。

そして、野鳥の世界には獣医はいません。残念ながら「骨折>動けなくなる>天敵に襲われる」が起きます。私も、フィールドで動けなくなった野鳥が襲われるのを、これまで何度も見てきました。

野生では当たり前のことですが、なかなか慣れません。

彼あるいは彼女は、本来ならば、このあと風にのって本土へ向かうはずでした。しかし、この体では無理です。

EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM

今日は、ひたすら餌を食べていました。

以前紹介した天候を予想するソフトWindyは、明日(2020年4月18日)は大荒れと予報していました。八丈島に来るANAは明日は全便欠航、東海汽船の定期便も欠航が発表されました。

車から山腹の林を見ると、多くのサギ類が避難を始めていました。彼らがどうやって明日の天気を予測するのかは知りませんが、すでに準備をしていました。

飛べない個体は明日どうなるかは予想できます。しかし、なかなか心の整理はできません。

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