正直なお話をしますと、過去の私の世界には八丈島は存在していませんでした。研究室の仲間が八丈島のヤンバルトサカヤスデの論文を見つけ、その関わりで、存在を認識しました。
八丈島は、八丈富士と三原山、そして、溶岩で作られた入り組んだ海岸線で構成されています。でも、一周60 km、面積は70 km2。北海道の屈斜路湖にすっぽり入るくらいの面積で、本土と比較しますと、行動範囲は限定されるとても小さな土地です。
今日は、「八丈島に住むためのリトマス紙」と題してお話です。
八丈小島という言葉
人間は、情報として、言葉を操る生き物です。私がいつも写真を撮っている野生動物とは違います。
八丈島から4 km離れたところに小さな島があります。言葉で表現しますと、「八丈小島」です。
町でも、都でも、報告書に記されるのは「八丈小島」という言葉です。
何を言っているのですか(笑)
確かにそうですね(笑)
研究者ですと、一つの言葉に一つの意味です。「八丈小島」という言葉は、無味乾燥ですが、単なる八丈島から見える小さな島です。
狭さを認識するのは人によりけり
私は、小さいころから日本中を転々とし、働くようになってからはアメリカも経験しました。
引っ越しは、20回くらいしましたね
おかげさまで、部屋の荷物を見たら必要な段ボールの個数がわかるようになりました(笑)
地平線に見える岩手県の岩手山、アメリカ、デービス市の巨大はハーベスターが置いてある真っ平らな麦畑、富山県の映画のワンシーンのような立山連峰・・・。それらの広大な風景に、そのときそのときで魅了されました。
「広大な風景=広がるさまざまな可能性」と認識する人もいるでしょう。一方、私は引っ越しばかりの人生でしたので、1箇所をとことん見ることが小さいころからの強い願いでした。
1つのものを認識するのは、遺伝的要因、育った環境的要因が影響するのだと思います。私の場合は、後者が強く影響を与えたのだと思います。
八丈小島のさまざまな顔
そこで、以降の4つの写真を見てください。
あ、八丈小島
青空が綺麗ですね
距離は4 kmくらいかな
八丈小島は一つだけれども姿が違って見えます
人によって感想はいろいろですね。
八丈島の地形は限定されています。この地形からさまざまな彩りを抽出できる人は、おそらく八丈島に来ても第一歩が踏み出せることでしょう。
一方、情報化に優れている人。研究者のように余計な情報は省き、八丈小島は「八丈小島」と1つのものとして認識しやすい人。
八丈島の地形を狭く感じ、時間が経過するにつれて、苦痛を感じるかもしれません。
受け入れられること、受け入れられないこと、八丈小島の見え方のように、これらは人によって違います。
人は、さまざまな遺伝的と環境的な要因が組み合わさった人生を歩んでいます。今回は、一例として、八丈小島の姿を挙げましたが、このようなリトマス紙は八丈島にはたくさんあります。
ガイドをしていて、ときどき、
移住を考えているのですけれども・・・
とおっしゃられるお客様と出逢います。
私は、何度も八丈島に足を運び、いろいろ体験され、その上で決断されることをおすすめしています
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明日のブログの更新はお休みします。