最近、私は、公私において、文章を書いたり、直したりする機会が増えました。
小学校、中学校、高校では、国語は全然出来なかったのですが・・・
中学校のときは、どんなに頑張っても40-60点しかとれず、先生に、
どうやったら、点数が取れますか?
と、真面目に質問をしたのを覚えています。まあ、理由は簡単で、私が、勉強が出来なかったからです。
先生は面と向かっては何も言ってくれませんでした(笑)
そんな私も、その後、大学院に入り、博士号を取得しました。博士論文は、先生がほとんど書いてくれましたね(笑)。
お前は、どうしてこんなにバカなんだ!
先生は、口では悪く言っていましたが、私の草稿を楽しそうに直していただいたそうです。
さて、私が文章を書けるようになったのは、プロの研究者になってからです。
今日は、「私の文章の書き方について」と題してのお話です。
文章を頭の中で書ける人、書けない人
日本語は、語順の自由度がとても高い言語です。様々な文が書けますが、分かりやすい文章は1つだけです。
世の中には、この文章を頭の中で書ける人がいます。それが出来ますので、会話でも理路整然と説明ができ、多くの人々が納得します。
私は、文章を頭の中で書けない人です。私と直接話したことのある人ならば分かると思いますが、日本語でも英語でも、語順はおかしいし、繰り返しも多いです。
本人は説明しているつもりでも、聞いている人は理解できません。
頭の中で文章を書けない人はどうするのか?正直に言いますと、私は会話による説明は諦めています。
その代わり、パソコンを使って文章を書くことで、自分の能力の無さをカバーしています。
一文の構成
下記の文章は、私が書いたものです。
東京都八丈島は富士箱根伊豆国立公園に属しています。年間雨量3,000 mmを越える温暖多湿な海洋性気候です。八丈島のヘゴの森(私有地)には、たくさんのシダ植物、木生シダのヘゴ、黄八丈に使われるスダジイやタブノキをはじめ、原生林で満たされております。この豊かな自然環境には、絶滅が危惧されているアカコッコ、タネコマドリ、モスケミソサザイだけでなく、多くの渡り鳥も見られます。植物観察、野鳥観察は難しそうに見えますが、初心者にわかりやすく、実例をまぜながら、ゆっくりと解説しながら散策します。
例えば、一番最初の文の「東京都八丈島は富士箱根伊豆国立公園に属しています。」を見てください。分解しますと、東京都八丈島(主語)富士箱根伊豆国立公園(目的語)属しています(動詞)となり、とても単純な文になっていますね。
ここまで単純にしますと、誰でも内容が分かります(笑)。さらに必要な場合は、これに名詞を飾る形容詞と動詞を修飾する副詞を付けます。形容詞は名詞の直ぐ側、副詞は動詞の直ぐ側に置くことが大切です。
仮に、形容詞と副詞が付いたとしても、それでも、単純な文ですよね
このルールを守るのが一番重要です。文の上手い下手は関係なくなり、さらに、主張は読み手に分かりやすく伝わります。
この一文を読んだとき、
あれっ?
中学校1年生の英語を日本語に翻訳したみたい・・・
そう思った方、正解です。私が自力で文章を書けるようになったのは、アメリカに行ってからです。
文章を書くのは、英語が最初で、あとから日本語に翻訳しています。ですので、主語、目的語、動詞、形容詞、副詞などが、ハッキリしています。
文章が書けた経緯はどうであれ、この書き方が読み手には分かりやすいようです。
文章における文の順番は決まっている
先ほどの文を再度掲載します。一文一文、読みますと、それぞれ短い文で構成されていますね。
東京都八丈島は富士箱根伊豆国立公園に属しています。年間雨量3,000 mmを越える温暖多湿な海洋性気候です。八丈島のヘゴの森(私有地)には、たくさんのシダ植物、木生シダのヘゴ、黄八丈に使われるスダジイやタブノキをはじめ、原生林で満たされております。この豊かな自然環境には、絶滅が危惧されているアカコッコ、タネコマドリ、モスケミソサザイだけでなく、多くの渡り鳥も見られます。植物観察、野鳥観察は難しそうに見えますが、初心者にわかりやすく、実例をまぜながら、ゆっくりと解説しながら散策します。
ちなみに、この文章では、一文一文の順番の入れ替えは出来ないように書いています
では、それぞれの文の順番はどう決めたのでしょうか?
文章における文の内容の並びは、逆三角形の順番が望ましいです。
人に説明するには、広い範囲からスタートし、1点に収束するのが、一番いいみたいです
一文一文を解説しますと、
場所の記載 | 東京都八丈島は富士箱根伊豆国立公園に属しています。 | |
気象条件の記載 | 年間雨量3,000 mmを越える温暖多湿な海洋性気候です。 | |
植生の記載 | 八丈島のヘゴの森(私有地)には、たくさんのシダ植物、木生シダのヘゴ、黄八丈に使われるスダジイやタブノキをはじめ、原生林で満たされております。 | |
動物の記載 | この豊かな自然環境には、絶滅が危惧されているアカコッコ、タネコマドリ、モスケミソサザイだけでなく、多くの渡り鳥も見られます。 | |
この文章を書いた目的 | 植物観察、野鳥観察は難しそうに見えますが、初心者にわかりやすく、実例をまぜながら、ゆっくりと解説しながら散策します。 |
となります。図解しますと、こうなります。
八丈島の地形を紹介し、気象条件を紹介し、気象条件に従って生息する植物を紹介し、その植生に従って生きる動物を紹介し、最後に文章を書いた目的を紹介しました。文章における文の内容の並びが逆三角形の順番になっていますね。
こう書きますと、
あなたの言っていることは分かりました
と読み手は言ってくれます。
私は、小学校、中学校、高校と、国語が出来ませんでした。ですので、私は、人が文章を読んで理解するメカニズムは、今も分かりません。
でも、文章を書くのに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、主語、目的語、動詞、形容詞、副詞などがハッキリとした1文を書き、文の内容の並びを逆三角形の順番にしますと、相手は、あなたの書いた文章を理解できるようです。
ぜひ、お試しくださいね
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