昔手術した右手首が痛いので、今日はお休み。写真の整理をしています。
私は野鳥が専門ですが、八丈島は風景や自然が美しいので、それに応じて八丈島の景色、植物、昆虫も撮るようになりました。
景色、植物、昆虫は専門外ですので、どうしても教科書的な撮り方になります。ただ、教科書的な撮り方は大切で一度は通った方がいいと私は思います。
今日は、「私の風景写真の撮り方と私の足りないところについて」と題してのお話です。
八丈小島
私のブログでは、八丈島の気候の変化を表現するとき、八丈小島の写真が良く登場します。八丈小島の天気や海の様子を記録しますと、今、八丈島がどのような状況になっているのか一目瞭然です。
今回はこの八丈小島を使って、私が何を考えて構図を決めて写真を撮っているかを書きたいと思います。

機材などはこちらに掲載しています。
黄金分割比
画面を縦横とも3分割します。その交点に被写体を置くと写真は落ち着くと言われています。

これを黄金分割比といいます
私が撮る写真もほとんどこの法則に当てはまり、正直に言いますと、この法則を守れば大部分はいい写真に見えます(笑)。
でも、よ~く見ますと、八丈小島は交点にありませんし、水平面も下から1/3のラインから少しズレていますね。これ、意図的にやっていますので、次に説明します。

画面の上端と雲の距離
当日は強風で波が高かったです。最初に見たのは八丈小島上空の雲。
空をたくさん画面に入れるときは、相当量の雲があるときです。一方、雲が少ないと、ただの青空だけが広がります。
青空だけを空にしますと、その空間を適切に埋めるのがとても難しくなります。
ですので、私は画面の上端と雲の距離に気をつけて構図を決めました。
そして、雲に気をつけた分、水平線の位置が少し下にずれました。

見にくいですが、当日は波が高かったのを表現している
当日は強風で波が高かったです。波の尾根からは水しぶきが飛んでいました。
ただ、ぱっと見、写真だと波の高さがよく分かりませんね。
でも、よ~く見ますと、八丈小島と海水面の堺が少しぼやけています。これ、波が八丈小島に激しく当たり、水しぶきが出ているからです。

これを意識しました

なるべく手前の高い波を捉える
風景写真では広角側のレンズを使います。私の場合は焦点距離24-105 mmのズームレンズを使っています。
広角レンズは画面に何でも取り込む性質があり、その分、取り込まれた物は小さく写ってしまいます。

ですので、大きな波も写真の中では小さくなってしまうのです
ただ、肉眼では高い波です。これをどう表現するかといいますと、私は前項の「ぼやけ」に加えて、大きな波を入れました。
ただ、大きな波が1つだと分かりにくいので、2つの波が発生した時にシャッターを切りました。
こうすることで、八丈島と八丈小島の間に大波があり、奥の八丈小島にもやがかかっていることから、当日は八丈島周辺が高い波であったことが写真に記録されるわけです。

八丈小島の位置を右側にずらす
私が八丈小島を撮影するとき、分かりやすくするために、多くの場合は画面の中央に置きます。しかし、今回の写真では珍しく画面右側にずらしています。
これは、前項の2つの大きな波の収まりの良さによるものです。もし、八丈小島が中央ですと、当日、高い波にも関わらず、画面右側の波が無いよう(実際には大波)に写ったからです。

失敗箇所
私はシャッターを切る前にファインダーをよく見るようにしているのですが、それでもミスします。
写真の右下に岩が写っていますね。これ、見落としです。
仕上げるときは、トリミングかPhotoshopで修正。今回は失敗をそのままにしています。

安全の範囲で、自分の限界に挑戦する
以上は、教科書的ですが、私の風景写真の撮り方です。専門外ながらけっこう考えていますよね。
それでも物足りないと思う人もたくさんいるでしょう。
例えば、「波」のことを考えれば、私が立っている位置を低くするべきなのです。ただ、ここは八丈島。
立っている位置を低くする(海に近づく)と、高波に飲まれ、海へ引きずり出されます。一度落ちたら、海岸は溶岩でできていますので戻ることはできません。
「波」の問題を改善しようとすれば、命に関わります。ですので、これ以上考えてはいけません。

命に関わるので絶対にしないように!
波は何回かに1回巨大になり、海に引きずり落とされます!
八丈島には私よりもずっとハイレベルの風景写真を撮影される方がいらっしゃいます。なぜ、その人は高確率で素晴らしい写真をものにするかといいますと、
- 生まれも育ちも八丈島
- 予報が難しい八丈島の気候の変化を先読みできる
- 八丈島の光を知っている
- 八丈島の地形をくまなく知っている
- 山や海の安全のための体力、技術、知識が豊富
だからです。
優れた写真技術の上にこれらを持っていらっしゃっていますので、その人が撮影された写真は、多くの人の心を揺さぶって当然ということですね。

私にとっては遥か彼方の人ですが、私も自分の限界を少しは越えて近づきたいですね
今日は、「私の風景写真の撮り方と私の足りないところについて」と題してのお話でした。
八丈小島を例にとって、風景写真の撮り方や考え方と、優れた人と比較して自分の足りないところ(今後の改善目標)について書きました。

明日(2025年2月19日)八丈島着の東海汽船の定期便は欠航となりました。欠航が続いていますね。
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