「好きこそものの上手なれ」ではない人の嫌いな仕事の乗り越え方

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研究者の友達と話すと、みなさん、満面の笑みを浮かべて、ご自身の研究の面白さを語ってくれます。おたくの方々が延々と語り続ける様子を色々と揶揄されますが、研究者もだいたいそんな感じで、延々と話し続けます(笑)。

私の一番長い仕事のキャリアは研究者でした。約30年間、研究の最前線で仕事をしてきました。でも、研究が好きだったかといいますと、それほど好きではありませんでした。

口癖は、「研究はつまらないもの」ですしね(笑)


今日は、「「好きこそものの上手なれ」ではない人の嫌いな仕事の乗り越え方」と題してのお話です。


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自己分析して仕事に対する自分の好き嫌いに気づいたこと

多くの方々は、「研究者は研究が大好きで研究している」と思っていますね。大部分の研究者に対しては、その考え方は正しいです。

でも、どんなことにも例外は存在します。私は、研究はそれほど好きではありませんでした。

その違いを端的に表していたのが、私の研究者の友達は研究を「研究」とよび、私は研究を「仕事」とよぶ違いでした。好きではなかったので、私はいつの間にか研究を義務でやる「仕事」とよぶようになっていました。


研究は嫌いでした

普通の人は、「大好き=仕事の大成功の原動力」と考えるでしょう。確かに、私もたくさんの実例を見ました。

まったくそのとおりです

でも、私の場合は違っていました。一番好きなのは野生動物写真の撮影で、実験室での研究は嫌いだったのです。

その証拠に、研究者としての自分の未来に悲観した瞬間、リタイアを即決で決めてしまいました(笑)。


嫌いな仕事で成功するにはどうしたらいいか

私は、仕事は嫌いでした。でも、なぜか大きな仕事を成功させてしまう人でした。

どういう状況だったかといいますと、私は、研究者として能力がなかったのは初めから知っていました。ですので、頭のいい研究者が、スキップして研究をやらなかった、エリアを探索しました。

膨大な組み合わせ実験の単なる作業です

正直、初めは気が遠くなりました。どう考えていたかといいますと、

  • 膨大な組み合わせの中には必ず正解がある
  • たとえば、1,000個(実際にはもっと多いです。)の組み合わせ実験をして、999個のネガティブ結果を出せば、最後の1つは確実に正解になる

でした。

次に考えたのは、「膨大な量の嫌いな仕事をし続ける方法」でした。アメリカにいたときは、英語ができませんでしたので、周りが気になりませんでした。ロボットのように働きました。

そして、帰国してからはiPodで音楽を聴きながら、周囲からの会話や音を遮断して、実験をやりつづけました。

千里の道も一歩から。毎日続けます。心が病まないためにも、機械になったつもりで無心が重要です。


嫌いな仕事をやり遂げた恩恵

みなさんは、もう気づいていると思います。先程の1,000個の組み合わせ実験、1,000番目の実験がくる前に、必ず正解を引き当てて、予定よりも早くゴールに到達します。

思ったほどは大変ではないのです

そして、頭のいい研究者がやらない実験なので、私のような能力のない研究者がやっても、単純作業なのに世界初になったりします(笑)。

評価は結果でされます。気づいたら、私はなぜか大きな仕事を成功させるコストパフォーマンスの高い研究者となっていました。

膨大な量の組み合わせ実験をやり遂げるもう一つ恩恵があります。

繰り返し実験なので、とても暇です。そうすると仕事に則した遊びをするようになります。

その時代の知見において、ありえない反応を混ぜておくのです。そうしますと、確率は低いですが、何回かに1回、上手くいってしまうのです。

当然、新規な結果です。論文として表に出す出さないに関わらず、これが、私にとっての研究者としての武器・財産となりました。

同年代の仲間が離脱していくなか、これが、能力のない私が研究者として長生きした要因だったと思っています。


私の経験からもわかるように、多くの場合、好きなことを仕事にすることはできません。でも、嫌いな仕事だからといって、それで終わりというわけでもありません。

もし、私が頭のいい研究者と同じように、本や他人の情報を基に実験をしていたら、私は早々に研究の世界から脱落していました。大切なのは、自分にあったやり方を自分で見つけ、他人と違う道を歩くことだと思います。

嫌な仕事だなぁ・・・と思っても、視点を変えれば、道は開けるときもあります。今、仕事で悩んでいる方々の考え方の参考になれば幸いです。

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