八丈島は太平洋に浮かぶ小さな島です。こんな小さな島ですが、渡り鳥はたどり着きます。
一般的なものから珍しいものまでいろいろな渡り鳥が渡ってきます。その中で、セイタカシギのお話をします。
今日は、「2024年春、東京都八丈島で見られたセイタカシギの様子」と題してのお話です。
春は2回に分けてセイタカシギが来ていました
今年は、南風が途切れたためか、渡り鳥が分けて八丈島に来島しました。セイタカシギの場合は2回に分けて来ました。
あれっ!?
セイタカシギってこんなに早かったっけ・・・
オスとメスの両方が来島していました
本土と違い、八丈島ではセイタカシギは群れでは来島しません。せいぜい数羽程度です。
セイタカシギはオスとメスの模様が違いますので、それで見分けができます。
理由は分かりませんが、メスの方が警戒心が少なく、近くに来てくれる場合が多いです
渡りは大変なので、八丈島にたどり着きますとひたすら餌を探し、食べています。
2回目のグループではペアリングの過程が見られました
多くの場合、八丈島では、セイタカシギはただいるだけです。ところが、私に観察眼が良くなったのか分かりませんが、今年のセイタカシギは行動に変化が見られました。
セイタカシギは、初めはバラバラで行動をしていました。オスもメスも一定間隔が空いていたと思います。
それから、時間が経つにつれて、オスが飛ぶ行動が増えました。どこに飛ぶかといいますと、メスが静かに餌を食べているのに、襲うように近くに降りるのです。
そんな行動をすれば危険と判断されます。メスは飛び去りました。このような行動が続きました。
このあと、セイタカシギを観察しますと、ピッタリとくっついている訳ではありませんが、なんとなくペアっぽい距離になっていきました。
今までメスが拒否していたのに、オスが近くを歩いていても気にしないようになりました。
八丈島の地形を覚える
最初はどこにいるべきか分からなかったセイタカシギは、時間が経つにつれて最適な場所に移動するようになりました。
八丈島は雨が多い島です。そして、雨が降りますと地面が柔らかくなり、かつ、昆虫やミミズが地表付近に来るようになります。
そうしますと、セイタカシギは、餌が多いところへ移動し、長いくちばしを使って器用に餌をとるようになりました。
最後は強風を利用して移動
2ヶ月ほどセイタカシギを観察し続けていました。個体の増減もあり、いろいろな行動も見られました。
ただ、セイタカシギは八丈島では繁殖しません。何回かの強風のあと、最後は姿を消しました。
八丈島を離れ、北側へ移動したのだと思います。
次、会えるのは北から南へ移動する秋ですね
今日は、「2024年春、東京都八丈島で見られたセイタカシギの様子」と題してのお話でした。
2回に分けて八丈島に来島したこと、ペアリングの過程、餌のとり方などいろいろな行動を紹介しました。