2025年12月に入り、八丈島は台風22号、台風23号の被災から徐々に復旧が進んできました。

もちろん被災前と同じではありませんが、様々なイベントが開催されるようになりました。
道路ではレンタカーとすれ違う機会も増えましたし、スーパー近くでは旅行者らしい方々も見受けられるようになりました。
私も何度か観光にいらっしゃった方々と八丈島の今の状況やザトウクジラについてお話する機会がありました。

八丈島は少しずつ観光地として復活しています
さて、八丈島の八丈富士側から西に視線を向けますと、島が見えます。これは八丈小島といい、住んでいた方々は、1969年3月に集団離島し、現在は無人島となっています。
八丈小島は八丈島ではアイコン的な島です。その姿は常に変化し、一年中眺めても飽きが来ません。
撮影した八丈小島の写真を眺めていましたら、今年は大きく変化していたことに気が付きました。
今日は、「八丈島から見える台風22号、台風23号通過前後の八丈小島の変化」と題してのお話です。
秋のどんよりした八丈小島の景色
2025年の秋、特に10月の八丈島は曇りや雨の日が多かったです。また、10月は台風22号、台風23号が八丈島を直撃しました。
例年では純粋に「美しい」と思える八丈小島です。しかし、台風22号が通過した10月9日以降は、自身では理解のできないもやもやの気持ちの中で、目の中にただ映っているような感じで八丈小島が見えました。

秋空から冬空へ向かう八丈小島の景色
八丈島の状態関係なく、季節は無関係に進んでいきました。
気温が下がるにともない湿度は下がります。秋空から冬空に空は変わっていき、雲の数が減っていきました。
青空下の八丈小島が見られるようになりました。

春からの八丈小島の全体の変化
冒頭で書きましたように、八丈島では八丈小島はアイコン的存在です。八丈小島があるだけで単調な水平線にアクセントが生まれ、私たち島民に変化という潤いを与えてくれます。
これまで、私は定期的に八丈小島を撮影してきました。
2025年4月7日の八丈小島
春ですので、八丈島では、草本植物は新芽を出し、花をつけ、オオシマザクラも咲きます。野鳥も繁殖期でイイジマムシクイも渡ってきます。
そして、隣接する八丈小島も同じで、島の色も様々な緑色に染まります。

2025年6月12日の八丈小島
6月といえば梅雨です。しかし、今年の八丈島は、梅雨らしい梅雨はありませんでした。
八丈小島は青空下でした。この色を見ますと、季節は夏と言った方がいいですね。
春に比べて植物の生育は進み、八丈小島全体が鮮やかで濃い緑一色になっているのが分かるでしょうか?

2025年10月28日の八丈小島
気温を基準にしますと、9月末から下がり始めていますので、八丈島では秋でしょう。そして、台風22号、台風23号が八丈島を通過しました。
八丈島から見える八丈小島の面がちょうど台風22号の風に当たった方向となります。
八丈小島は、濃い緑色から茶色がかった緑色に変わってしまいました。潮風によって八丈小島の草や木の葉が痛んだからです。

台風22号、台風23号通過後の八丈小島の地形の変化
八丈島から八丈小島までは4 km離れています。肉眼で見える八丈小島は輪郭が同じですので、台風による被害は草や木の葉だけのように見えますね。
しかし、拡大して良く観察しますと、八丈島と同様に八丈小島でも土砂崩れにより地形が変化していました。
例えば、八丈島から見て向かって左側の斜面。2025年6月12日と2025年10月28日の写真を見比べますと、斜面が大きく崩れているのが分かりました。
八丈小島の地形は、被害が大きかった三原山のような複雑な地形とは異なり、被害の少なかった円錐形の八丈富士と似ています。
それでもこれだけの変化が起きたことから、今回の台風22号、台風23号がいかに勢力が強かったかが分かります。
自然災害による歴史的な地形の変化が、今、八丈島で見ることができます。

今日は、「八丈島から見える台風22号、台風23号通過前後の八丈小島の変化」と題してのお話でした。
八丈小島は八丈島ではアイコン的な島です。その姿は常に変化し、一年中眺めても飽きが来ません。
その八丈小島の春から冬までの写真を見返しました。
例年通り、新芽が息吹いた様々な緑色の八丈小島、濃い緑色一色の八丈小島になりましたが、台風22号、台風23号の通過後は茶色がかった八丈小島となり、場所によっては八丈島と同様に土砂崩れが起きていました。
八丈島は復旧が進み、旅行者も戻りつつあります。
美しい景色の八丈小島もあります。そして、同時に、50年に1度の自然災害による歴史的地形の変化も見られます。

機会がありましたら、ザトウクジラを探す時に一緒に八丈小島の変化も見てくださいね
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