八丈島に住み始めて8年目。野鳥の記録をつけ続けてきました。そうしますと、傾向が出てきます。
「〇〇季節になると△△の野鳥が□□の場所に出現する」
などです。
記録を取り続けますと出現の予測ができます。ところが、今年の冬ですが、どうも野鳥の動きが例年と違うのです。
今日は、「2025年1月中旬、例年と違う動きをする東京都八丈島の野鳥たち」と題してのお話です。
チョウゲンボウ
八丈島の面積は60 km2ととても小さい島です。ですが、野鳥にとっては巨大な陸地。
例年、チョウゲンボウは秋に八丈島に渡ってきます。初めは巨大な地形に慣れていませんので、色々なところで目撃されるのですが、最後はほぼ1か所に収束します。
ところが、2025年は様々な場所で目撃されます。さらに、私が今まで見たことのないコースを飛んだりもします。
ノスリ
2025年はチョウゲンボウ、ノスリ、ミサゴなどの猛禽の観察に力を入れています。
八丈島では、ノスリも秋に渡ってきます。ノスリは、チョウゲンボウより体が大きく、獲物もやや大型の動物を狙います。
私はノスリは高いところに止まって、滑空して獲物に襲いかかると思っていました。ケース・バイ・ケースかも知れませんが、先日見たのは別の戦略をとっていました。
小鳥を観察していますと、スーっと羽音を立てずに薄茶色の影のようなものが滑空して止まりました。双眼鏡で確認しますとノスリでした。
ノスリは八丈島で良く見られるオオバヤシャブシの葉の残った枝々の中にいました。
超望遠レンズではノスリの存在がハッキリと分かりますが、これが肉眼ですと、どこにいるのか分かりません。
おそらく、小鳥も同じだと思います
ノスリは止まった場所から移動せず、頭の向きをゆっくりと動かし、気を抜いた獲物がいないかを注意深く見定めていました。
襲う瞬間は確認できませんでしたが、身近でこのようなシーンが見られるのも例年とは異なるので驚きでした。
タヒバリ
タヒバリも八丈島では冬鳥。こちらは猛禽に狙われる側です。
人の活動によって餌(昆虫)が出現する場所が限定されており、それにともない、タヒバリも移動します。つまり、人とタヒバリの関係は意外と深いのです。
餌がいる場所はタヒバリにとっては天国ですが、開けている場所ですので猛禽に見つかりやすい地獄でもあります。
群れでお互いに連携を取って交互に餌を食べたり見張りをしたりします。
タヒバリは例年と同じ場所と違う場所で確認されています。年をまたいで居場所が変化している途中なのかも知れません。
イソヒヨドリ
八丈島ではイソヒヨドリは留鳥です。島民には、アカコッコに対し、イソコッコとよばれ親しまれています。
イソヒヨドリを観察し続けていますと、メスを迎え入れたなわばり、巣を作る場所、見張りをする場所が浮き上がってきます。
八丈島は天候が荒れることがあります。八丈島では、イソヒヨドリの巣は人が作った頑丈な建物に作ることが多いです。
以前紹介しましたが、数年間観察し続けていたオスのイソヒヨドリの行動が急に変わったことに気が付きました。成長がいなくなり、若いオスが観察していたなわばりの新しい主に代わっていました。
ウミウ
八丈島は海に囲まれています。ウミウは、その名の通り、「海に生息する鵜」です。
八丈島ではウミウも冬鳥です。渡ってきた当初は身近なところで確認されますが、時間が経過するにつれて、
こんなところに集まっているの!?
という場所に移動します。
- 餌を食べる
- 羽を休める
- 暴風雨を避ける
それぞれの目的で適切な居場所を定めているようです。
2025年は、意外な場所でウミウと遭遇しました。例年とはまったく違う場所でした。
私とは距離が近かったのですが、とてもリラックスした姿を見せてくれました。
それにしても、ウミウの首は柔らかいですね
EOS 7D Mark II+EF600mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4xIII
今日は、「2025年1月中旬、例年と違う動きをする東京都八丈島の野鳥たち」と題してのお話でした。
今年、行動が変わったチョウゲンボウ、ノスリ、タヒバリ、イソヒヨドリ、ウミウのお話でした。
私がこれまで観察してきたものとかなり違いますので、
何が起きているんだろう・・・?
と楽しい疑問が出ています。答えが出るか分かりませんが、継続して観察したいと思います。
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