八丈島は雨が続いていますね。私はかまわずに外に出ています。
八丈島は天候の変化が速く、同じ雨でも、小雨、雨、大雨と短時間で変化します。
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登龍峠展望台からの眺めもこんな感じです
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写真では写っていませんが、雨の中での撮影です。
いつもならば、1日1回、アシジロヒラフシアリの対策で八丈島三原山のある建物へいかなければなりません。
でも、雨が続く日は、見に行く必要がないのです。
今日は、「雨の日は、東京都八丈島三原山のある建物ではアシジロヒラフシアリは来ません」と題してのお話です。
雨の日の三原山のある建物の様子
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例によって、三原山のある建物の基礎の部分を見回りしました
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建物をぐるっと1周しましたが、いつもなら行列ができている場所、エアコンのダクトもアリは全くいませんでした。
アリは水に浮きます
アリは動物ですので、呼吸をします。ただ、人と違って、口から空気を入れるのではなく、お腹に空いた気門という穴から空気を取り入れ、気管を通して、体内の臓器に酸素を運びます。
気管は、お腹の中、胸部、頭部とありとあらゆるところへ伸びています。空気が全身にあるようなものです。
体の中に浮き袋があるようなものなので、雨でも、アリは水に浮かび、死ぬことはありません。
それでも、雨はアリの大敵
アリは、簡単には水に溺れて溺死しません。でも、八丈島のように大雨が降りますと、その水は集まり、流れ始めます。
さすがに、アリはその力に逆らうことはできず、水と一緒に流されてしまいます。働きアリが流されてしまうと、アリのコロニーにとっては大打撃です。
アリはどうやって天気予報をする?
私たちは、インターネット、TV、ラジオ、新聞など様々な媒体から天気予報の情報を得ることができます。
たとえば、スマホのアプリは、「あと数十分後に雨が降る」など、ほぼリアルタイムで予報を知らせてくれますね。
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でも、人間以外の生き物はどうしているのでしょうか?
アリの場合は、触角に湿度受容器(hygroreceptor)があります。
元々は、ゴキブリの触角の研究から始まったもので、形態学観察から始まり、最後は電気生理学実験によって、その存在を証明されました。
Hygroreceptor mechanism in the antenna of the cockroach Periplaneta
Fumio Yokohari
Journal of comparative physiology volume 124, pages53–60 (1978)
日本のYokohari先生の偉業です。あの小さな感覚子に電極を刺し、水でショートもさせずに測定に成功させるわけですから、それこそ神業です。
この神業の論文は昆虫の触角の研究ではとても有名です。アシジロヒラフシアリでは直接は湿度受容器の存在の証明はされていないものの、論文の結果と同じ機能があるようです。
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実際、アリは来ていませんでしたね
毎日、一生懸命アリ退治ではスケジュールが大変ですね。実は、こうして適度に休んでいます。
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